ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

米国ベビーブーマーの自殺が急増

 「在留異国人や、みなしごの権利を侵してはならない。やもめの着物を質に取ってはならない」(申命24:17)。
 2013年5月2日のニューヨーク・タイムズサイトでは、「米国で自殺率が急増」といった題で、タラパーカー・ポープという人が記事を寄せていました。
 日本の自殺者の数は15年ぶりに3万人を割ったという記事を見た事があります。米国ではどんな事情があるのでしょうか?
 まず疾病管理予防センターの統計によりますと、自動車事故よりも自殺で亡くなった人の数が、2010年で38,364人、自動車事故の33,687人を上回りました。
 そして米国の自殺者と言えば、これまで若者たちと高齢者たちの問題だと見られていましたが、過去10年間に中年世代の自殺率が急増し、いわゆる団塊世代の関心を寄せています。彼らは長引く経済不安に直面しており、容易に入手出来る鎮痛剤による自死を選択しやすくなっています。
 詳しく見て行きますと、1999年から2010年までで、35歳から64歳の年齢の人々の自殺率は、ほぼ30パーセントと上昇し、10万人に17.6人となっています。それ以前は13.7人でした。それを男女別で見ますと、男が圧倒的に多く、10万人に27.3人の割合でしたが、女性の場合それが8.1人でした。50代に絞ってみますと、自殺率は50パーセントと跳ね上がり、10万人に30人となりました。これを女性の最大の増加率で見てみると、60〜64歳で60パーセントの上昇、10万人に7人でした。
 しかし自殺者かどうかの判別は難しく、実態はかなり少ない報告となったようです。
 また自殺の理由も複雑で正確な把握は難しいですが、疾病管理予防センター当局ではいろいろな可能性を挙げています。
 過去10年間の下向きな経済が原因となっているのでしょう。歴史的にもそうした時期に自殺が多くなっています。当然団塊の世代の財政状態は低下し、やり繰りが苦しくなります。彼らは高齢の親の面倒を見、さらに就職口のない成人となった子どもたちへの経済的援助もしなければなりません。

 もう一つは上記したように、鎮痛剤オキシコンチンオキシコドンといったオピオイド剤(*アヘン様物質の意味だそうです)が、広く購入可能になっている事があります。多量の摂取ですぐ致死量になるからです。画像はロシア系サイトから借用。
 自殺の方法は勿論自宅にある銃によるものが多いですが、上記鎮痛剤による中毒死を選ぶ人が増え、この10年間に24パーセント上昇、絞首によるものが実に81パーセントも上昇しています。
 そして疾病管理予防センターは、今後もそうした世代の自殺は減らないだろうと予測しています。
 58歳の夫に自殺された或る主婦は、自殺が他の人々に一つの選択肢として見る気持ちを呼び起こすから、地域社会が安心出来る形でそれを論じる事が大切で、そうなれば残された者もそれを恥と受け止めないようになるだろうと言っています。