ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

星野道夫氏の急逝が惜しまれる

「このしもべは、獅子でも、熊でも打ち殺しました。あの割礼を受けていないペリシテ人も、これらの獣の一匹のようになるでしょう。生ける神の陣をなぶったのですから」(サムエル第一17:36)。
 2013年5月9日のiireiさんのブログは「写真家星野道夫の遭難」でした。(http://d.hatena.ne.jp/iirei/20130509#1368073399)。
 森の中でヒグマに襲撃され、喰い荒らされた姿で発見されたという事で、その経緯と人となりを知りたいと、私も読んでみました。『アラスカの詩 めぐる季節の物語』という本です。

 多数の写真と詩のような散文的文章で綴られたものです。簡潔な文体で極北の厳しい自然や、そこに生息する動物たちの生態を克明に追っているといった感じでした。勿論写真の中には数枚のクマも登場しています。

 そして星野氏はこの本の最後のほうで、この北極圏の原野がクマの領域である事を熟知しています。にもかかわらず「もしクマが存在しないのなら、僕はこの土地に来ないだろう」と言っています。そして「僕はクマに気をつけるが、それほど恐れてはいない」とも付け加えています。でもそのすぐ後で自戒の言葉を連ねています。「しかし、自然に対して、たかをくくっているのではないかと思う時がある…そんなに恐れる必要はないのだと僕は言った…しかしそれは、どこかで間違ってはいなかったろうか」。
 そしてその油断が43歳の星野氏のいのちを奪ってしまいました。残念です。
 その星野氏、この本の中でマイナス五十度にもなるアラスカの冬が好きだと答えています。朝陽が夕陽になるこの暗い世界の満月の下で、星野氏は思索にふけります。
 そしてこの厳しい自然の中で生きている事の意味を考えました。
 「この世に生きるすべてのものは、いつか土に帰り、また旅が始まる。有機物と無機物、生きるものと死するものとの境は、一体どこにあるのだろう。いつの日か自分の肉体が滅びた時、私もまた、好きだった場所で土に帰りたいと思う…」。
 高見順氏も「この旅は自然へ帰る旅である 帰るところのある旅だから 楽しくなくてはならないのだ もうじき土に戻れるのだ」と、詩集『死の淵より』で書きました。
 皆土に帰る、土に戻る事を知っています。聖書の創造主は「土地のちりで人を形作り、その鼻にいのちの息を吹き込まれた。そこで、人は、生きものとなった」(創世2:7)と言われました。いのちの息を吹き込まれたからには、人は永遠に生きる事が可能でした。しかし罪を犯した為、結果として人は死ぬ事になりました。「あなたは土に帰る。あなたはそこから取られたのだから。あなたはちりだから、ちりに帰らなければならない」(創世3:19)。
 人はこの聖書の言葉を知らずとも、死んだら土に帰ると考えています。肉体はそこで朽ち果てます。しかし聖書の福音は、キリストの復活を信じる者は永遠のいのちを賦与するという良き知らせでした。
 星野氏の肉体は無残な形で土に帰りましたが、生前この聖書の神を信じていたら、今天で平安な生活を送っているでしょう。
 この短い本からいろいろ教えられました。この人の存在を教えてくれたiireiさんに感謝します。