ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

東日本大震災でバイオリンの名器を貸出

 「神の霊がサウルに臨むたびに、ダビデは立琴を手に取って、ひき、サウルは元気を回復して、良くなり、わざわいの霊は彼から離れた」(サムエル第一16:23)。

 2013年5月13日の朝日新聞に、「名器の音色 被災地に」という題で、イタリアの街クレモナで活躍している日本人ビオラ奏者矢谷明子さんが、東日本大震災で被災した子らの心に癒やしを与えようと、バイオリンなどの弦楽器の貸出先を募っている記事が載っていました。左画像は元町のLa CANTINAから借用。
 イタリアは、弦楽器演奏家にとって憧れのバイオリン名器「ストラディバリウス」を生み出したアントニオ・ストラディバリが住んでいた国です。この17〜18世紀に活躍した人の名器がとほうもない値段で現在も取り引きされています。
 その伝統ある国は楽器制作が盛んなようで、北部のミラノに近いクレモナという街に、国立弦楽器製作学校が存在し、世界中からそこを目指す人は後を絶たないそうです。

 矢谷さんは被災地の現状を話し、バイオリンとビオラ計10丁を寄付してもらいました。さらに他に工房を持つ人々からの寄付もあって、全部で14丁になりました。また日本国内からも篤志家が居て6丁を寄付、貸出可能な楽器が合計20丁となりました。
 特に宮城県の被災地にある学校では、楽器が壊滅状態に近く、練習していた子どもたちの心は深い傷を負っていました。その為矢谷さんは既に震災直後クレモナで復興支援コンサートを開いただけでなく、日本でもその目的の演奏会を開催しました。
 矢谷さんは寄贈されたバイオリンとビオラの楽器を、それに触れた事のない子どもたちにも是非触れてもらい、傷が少しでも癒されたら幸いであると考えています。
 聖書の時代でも弦楽器その他を用いた賛美が盛んに行われました。冒頭の記事は精神的病に侵されたサウル王を、少年ダビデが立琴を弾いて癒やした場面です。確かに弦楽器はそうした効果があるようです。
 私はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ及びコントラバスの4つを用いた弦楽合奏曲が好きで、チャイコフスキーのものを良く聴いていますが、弦楽器の響きが圧巻です。
 是非被災地で寄贈された楽器を用いて、多くの演奏がなされ、すさんだ心の方々の心の琴線に触れられる事を望みます。
 言葉による安易で偽善的な慰めの文句より、音楽による効果は大きいのではないかと思っています。