ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

福島原発掘削井戸から放射性ストロンチウム−90検出

 「わたしの民は二つの悪を行った。湧き水の泉であるわたしを捨てて、多くの水ためを、水をためることのできない、こわれた水ためを、自分たちのために掘ったのだ」(エレミヤ2:13)。
 2013年6月19日のロイター通信サイトでは、「日本では、福島の地下水から毒性の高いストロンチウムが見つかった」という題の記事がありました。
 書き出しは「ストロンチウム−90と呼ばれている高レベルの毒性物質が、破壊された福島原子力発電所の地下水から発見された…」です。
 『元素111の新知識』を見ますと、ストロンチウムは「人体に毎日二ミリ程度摂取されている。ストロンチウムイオンは一般に毒性は低いとされている」とあります。その人工放射性同位体の中にストロンチウム−90が含まれており、「人体にとって最も危険な放射性核種の一つであり…β線を放出するために骨のガンや白血病の原因になるとされている…人体にはいるルートは飲料水や食物が主であり、海草や魚、ミルクはストロンチウム−90を蓄積しやすい」とあります。
 従って朝日新聞19日夕刊、20日朝刊で報じている単なる「ストロンチウム」というのは、厳密には誤りです。記者も検閲する人も不勉強というしかありません。他のマスコミ紙はだいたい正確に報じています。なぜそんな事をと言いますと、その元素に同位体が8つあり、そのうち非放射性のストロンチウム−87がルビジウム−87のβ崩壊で生成される事を利用した放射性年代測定法が、地質学で岩石の年代測定でよく使われているのに対し、このストロンチウム−90は、ウランやプルトニウム核分裂で生成され、半減期約29年、長期にわたりβ線を放射する厄介者だからです。

 それはとにかく、東電は地中の放射能汚染水の状態を調べる為に、新しく3本の井戸を掘りました。
 そして地下水の海への流出の状態を調べました。その結果5月24日に採取した水から1リットル当たりストロンチウム−90が1000ベクレル(国の放出基準1リットルあたり30ベクレルの約33倍)、トリチウム三重水素)が50万ベクレル(同約8倍)検出されたそうです。トリチウムは水素の放射性同位体で、半減期約12年、その毒性については、あまりよく分かっていないようです。しかし小出裕章氏によれば、大変エネルギーの低いβ線を放射するにしても、内部被曝の危険性や食物連鎖の中に取り込まれる危険性はあるそうです。
 ロイター通信サイトによると、2012年12月8日の測定で、ストロンチウム−90が1リットルあたり8.6ベクレルだったのが、5か月経て1000ベクレルに急上昇した事になります。実に100倍以上です。
 この結果については、東電は5月31日には把握していたものの、衝撃的な値の為、一旦隠ぺいし、6月19日に発表したものと思われます。東電お得意の情報公開の遅延です。何度も繰り返され、私たちはもはや驚きません。コンプライアンス(=規則遵守)など、全然持ち合わせていない悪徳企業だからです。

 この汚染水ですが、2011年4月に高濃度のものが海に流出していた事が分かりました。それが今度の井戸の近くにある2号機の取水口でした。当然ストロンチウム−90を含む放射能が大量に海に出た為、周辺の漁協は漁を中止していました。それから2年経過し、漁協は本格的操業を目指していただけに、今回の魚に蓄積しやすいストロンチウム−90が見つかった事は衝撃でした。
 この地域の漁業は今後どうなるでしょうか?ストロンチウム−90と言えば、1954年の米国ビキニ環礁で行われた水爆実験により、第五福竜丸はそれを大量に含む死の灰を浴び、久保山愛吉さんが亡くなられたと言われています。プルトニウムと共に忘れてはいけない放射性同位体元素です。