ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

シリアで化学兵器使用との主張は、透明性を欠くという批判がある

 「いま私を訴えていることについて、彼らは証拠をあげることができないはずです」(使徒24:13)。
 2013年6月20日のワシントンポストサイトでは、上記の題の記事が載っていました。このシリアの化学兵器を巡る問題は、このサイトばかりでなく、他でも執拗に追及され、米軍介入も噂されていました。
 この化学兵器サリンという毒ガスですが、日本ではなじみ深いものがあります。いわゆる松本サリン事件と東京地下鉄サリン事件です。特に前者の使用物質がサリンであるとの特定には、ネットでの情報を参照しますと1週間以内でした。

 しかし今度のアサド政権と反体制派による内戦で、本当にサリンが使用されたのかについては、それが25か月前の事件であり、サリンは空気や日光に曝されると、速やかに分解されるという事ですから、特定は非常に困難です。
 米国、英国とフランスは国連に証拠の山を提供しましたが、それには多数の血液、細胞組織、土壌のサンプルが含まれていました。米国当局者はシリアの軍隊が戦場で神経ガスサリンを使った事を証明していると言っています。
 勿論それにはアサドも反体制派の仕業だと主張しており、真っ向から対立するものです。左図AP通信より。
 そこで国連事務総長のバン・キー・ムーン氏は、「それこそ私がシリアでじかに調査する必要があるのを、引き続き強調している理由だ」と述べています。自前の試料を集め、事実を確立する事が出来ると言っています。
 でもアサドはその調査を拒んでおり、国連科学者たちは容易に中に入って調べる事が出来ません。そこで元欧州安全安全保障研究所の特別研究員だった、ジーン・パスカル・ザンダースは、シリアで神経ガス攻撃があったと主張されている写真やビデオや新聞報告などを求めて、インターネットを探し回ったと言っています。その結果シリアで神経ガス攻撃があったと主張されている写真やビデオや新聞報告に、化学兵器攻撃の特徴的な症状を呈した写真はほとんどありませんでした。氏は1998年のイラク化学兵器攻撃で犠牲になった人々の写真を比較して、サリンの紛れもない使用の兆候(*青ざめた唇や指先、ピンク色の肌の様相など)はイラクにはあっても、シリアではなかったと言っています。
 そこで氏は米、英、仏3国による証拠は、そこから独立した研究者たちによる試験が出来ない事もあり、決定的な結論に達するのは不可能と結論付けました。そして「これは大いなる政治的行為」だと主張しています。
 オバマ大統領は「越えてはならない一線」を越えたとし、反体制派への武器供与と、軍事的介入も考慮に入れているようですが、イラク攻撃で大量破壊兵器が見つからなかった苦い経験を踏まえ、慎重に構えています。
 もし武器を反体制派に渡したり、軍事介入をすれば、それこそナオミ・クラインのいう「災害便乗型資本主義」の典型となってしまうでしょう。