ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

書く事が心と体の病を癒す

 「誘惑に陥らないように、目をさまして、祈っていなさい。心は燃えていても、肉体は弱いのです」(マタイ26:41)
 2013年7月13日のタイム誌サイトでは、上記の題で論文が紹介されていました。
 研究したのはニュージーランドにあるオークランド大学で、健康心理学の上級講師を勤めているエリザベス・ブロードベント氏らのチームです。
 困難な経験を語る事は、トラウマといった感情的苦痛を緩和する方法の一つですが、最近の研究では感情を言葉で表す事も、体の癒しを早められる事が示されました。トラウマの経験を分かりやすく表現するのは、心だけでなく体の健康にとっても大切である事が分かりました。書く事の鎮静効果は、体の傷の癒しの時間を、ほぼ半分に減らす事で示されたのです。

 研究者たちは64歳〜97歳までの健康な高齢者49人について調べました。その半分の人々には、3日間最もトラウマのひどかった出来事について、1日20分間書いてもらう事にしました。そしてまさにその時感じたり思ったりした事について、出来るだけおおっぴらに且つ率直に書くよう働きかけました。またもし可能なら、トラウマになった事柄について決して他人に伝えた事のなかった考えや感情を分かち合うよう求めました。
 対照群となるもう一方の参加者には、自己の感情、意見、信念などについて触れる事を避けてもらい、ただ翌日の計画について、同じように3日間、1日20分書いてもらいました。
 人々が書き始めてから2週間後、研究者たちは局所麻酔で、腕の小さな皮膚を切り取り、その傷を残しました。1週間後、研究者たちは3〜5日毎に傷の写真を撮り始め、それは完全に治るまで続けました。
 すると皮膚の切り取りから11日後、トラウマについて書いてもらった群の76パーセントが完全に治りましたが、残りの群(対照群)では、わずか42パーセントでした。
 これは心と体の健康の間にある不思議な繋がりを示した最初の研究ではありません。以前の研究では、こうしたタイプの感情表現執筆は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)陽性の患者のウイルス量を減らし、それと戦う免疫細胞のレベルを高めました。またその実施では、ワクチンにより生まれた抗体を増やし、B型肝炎ワクチンの効果を高めました。そして特に若い人々で傷の癒しを早めていました。
 今度の研究では、そうした患者において感情を言葉で書き留めてもらうと、気分を改善し、ストレスホルモンを減らす事が分かりました。トラウマ経験について書いてもらうと、参加者たちは以前よりもっと眠れるようになりました。7時間も眠ると、睡眠不足の人々より傷の修復をいっそう促進します。またその為に大切な成長ホルモンも、より高い水準に保たれます。
 病んだ心の中をただ吐露するだけでなく、書き出してみる事は、体の回復をいっそう早くするという良い結果を生み出しました。