ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

高血圧に関係するアルドステロン(=鉱質コルチコイド)の拮抗薬は、体重増加も防ぐ

 「味のない物は塩がなくて食べられようか。卵のしろみに味があろうか」(ヨブ6:6)。
 2013年6月17日のサイエンスデイリサイトに、上記の題で論文の紹介がありました。
 塩のとり過ぎが高血圧や心臓病など持病のある人々にはよくなく、脳卒中の危険性もある事は良く知られていますが、それを薬でうまく制御すると、メタボリック症候群(肥満、高脂血症高血糖症<糖尿病>、高血圧などが複合した状態を「メタボリック症候群」といい、その病気の原因は内臓脂肪型肥満、脂質代謝異常、糖代謝異常、血圧異常などが考えられます=ネットより)も防ぐ事が出来るそうです。
 研究したのはローマのサン・ラファエル・研究センターを含む研究者たちです。

 私たちの副腎皮質からはアルドステロン(鉱質コルチコイド)と、グルココルチコイド(糖質コルチコイド)というホルモンが分泌されます。ウイキペデイアによりますと、アルドステロン=鉱質コルチコイドが分泌されると、鉱質コルチコイド受容体(MR)のはたらきが活発になり、ナトリウムの再吸収が促進されそうで、それが高血圧に関わって来ます。一方グルココルチコイドが分泌されると、タンパク質が糖化して血糖値を高めるそうです。
 ですからこれら2つのホルモンを抑制出来れば、心臓病や糖尿病の症状が起こりにくくなります。鉱質コルチコイド受容体(MR)には、グルココルチコイドも結合しやすいそうで、まず鉱質コルチコイド受容体(MR)に標的を絞り、それと張り合うMR拮抗薬というものが開発されています。研究者たちはこの中からドロスピレノン、スピロノラクトンを選び、高脂肪食で養ったマウスに投与しました。すると高脂肪食と結び付いたMR拮抗薬を受けたマウスでは、投与されない対照群と比べ、エネルギーを貯蔵する白い脂肪組織の中で、エネルギーを燃やす善玉の茶色脂肪細胞が増えている事が分かりました。

画像の左が白い脂肪組織、右が茶色(褐色)脂肪組織。
 その茶色脂肪細胞の増加が体重の増加を抑える事になります。さらにMR拮抗薬は<耐糖能異常(たいとうのういじょう)→糖尿病予備軍とも言える病態>と関連する、高レベルの血中ブドウ糖を減らす効果がありました。
 研究を指導したアンドリュー・アルマニ博士は、「MR拮抗薬は、思いもしなかったメタボ症候群治療への道を切り開きました」と言っています。
 科学ではちょっとした思い付きと、辛抱強い実験によって、思わぬ結果がもたらされるものですね。