ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

踏切救助死の村田さんを悼む

 「人がその友のためにいのちを捨てるという、これよりも大きな愛はだれも持っていません」(ヨハネ15:13)。
 私はかつて父の社宅が横浜線中山駅にあった為、しばらくそこに住んだ事があります。

 その中山駅のすぐ近くの踏切で痛ましい事故がありました。2013年10月1日、電車の通過待ちをしていた父親の乗用車の助手席にいた村田奈津恵さん(40歳)が、線路上に倒れていた74歳の男性を発見、助ける為車から飛び出し、踏切内に立ち入って助けたものの、自らはあいにく近づいて来た電車にはねられて死亡したのです。倒れていた男性は奇跡的に命拾いしました。左上画像はアサヒコムから借用
 私はネットからその村田さん父子の写真を見て涙が出ました。残されたお父様の無念さは到底はかり知る事が出来ません。ご遺族の慰めが主から豊かにある事を切に祈ります。

 こうした事例は過去にも幾つかあります。三浦綾子さんの代表的な小説『塩狩峠』に出て来る主人公は、実在した人物で、名前を長野政雄と言いました。彼は連結器が外れ暴走しながら坂を下る旅客列車の前から飛び降り、自ら命を捨てる事によって多くの乗客のいのちを救いました。
 明治42年はクリスチャンが馬鹿にされていた時代です。しかしこの長野氏の勇気ある行動で、葬儀に参列した多くの人々がクリスチャンになったとの事です。
 そう、一番の模範は上記ヨハネ伝に出て来る救い主イエス・キリストです。キリストは私たちが罪を犯した結果として死に繋がれ、嘆き悲しむ状況を無視出来ず、「一生涯死の恐怖につながれて奴隷となっていた人々を解放」(へブル2:15)する為、自ら進んで十字架にかかられたのでした。しかしその犠牲の死を悲しんだのは、当時キリストの弟子たちと他の若干の者たちだけでした。他の者たちにとっては「木につるされた者は、神にのろわれた者」(申命21:23)だったからです。

 翻って村田さんの行動は勇気あるものとして称えられ、安倍首相名の感謝状も渡されたとあります。勿論ネットで調べると「無謀な行動」「愚かな行動」といった無責任な誹謗中傷もありました。
 私たちの大半は感動しつつも、自分にはそんな力や勇気はないと慨嘆する人もいるでしょう。ではなぜ感涙にむせぶのでしょうか?「助けなきゃ」と叫んで飛び込んだ村田さんの、人のいのちに対する限りない愛と慈しみの気持ちからだったのでしょうか。またそのような優しい気持ちを持つ子として育ててくれたお父様お母様への尊敬の念を抱くからでしょうか。左画像ネットから。
 私もクリスチャンの端くれとして、村田さんの模範に倣いたいと、もう一度決意を固めた次第です。