ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

温暖な海が魚の水銀の値を上げているかも知れない

 「どのような種類の獣も鳥も、はうものも海の生き物も、人類によって制せられるし、すでに制せられています」(ヤコブ3:7)。
 2013年10月3日のサイエンスデイリサイトでは、上記の題で研究内容が紹介されていました。研究したのは米国ダートマス大学の研究者たちです。プロスワン誌に発表された論文は、全文閲覧出来ます(http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0058401
 メチル水銀と言えば、すぐ水俣病の事を思い出します。チッソ水俣工場から排出された水に混じっていたメチル水銀は海の魚や貝に入り、それを食べた人が脳や神経を侵し、手足のしびれ、ふるえ、脱力、耳鳴り、見える範囲が狭くなる、耳が聞こえにくい、言葉がはっきりしない、動きがぎこちなくなる等々、多様な症状を引き起こしました。詳しい事はhttp://www.soshisha.org/jp/などを参照して下さい。

 今回研究チームはマミチョグ(海水性実験魚西洋メダカとも呼ばれる)を用いて、実験室と野外現場で、様々な温度設定の下、メチル水銀が蓄積してゆく様子を詳しく研究しました。マミチョグは河口環境の中で動物性プランクトンや底生無脊椎動物を食べ、メチル水銀を蓄積して行きます。そして食物網(≒食物連鎖)の中で濃縮されます。
 研究者たちは温度を上げながら、メチル水銀がどれほどマミチョグに取り込まれるのかを、幾つかの図表に表わしています。温度が温かくなれば、マミチョグは余計にプランクトンなどを食べ、メチル水銀の蓄積量が増加する事が分かりました。左図表はその一部で実験室でのもの。
 勿論実験室と野外現場では条件が異なり、若干の差が出て来ますが、いずれの場合でも、機械的に温度を上げて見ると、魚の生理と代謝に相当な影響を与える事が初めて確証されたとの事です。
 さて2013年10月12日の河北春秋を見ますと、今年は熊本市で開催された国連の会議で「水銀に関する水俣条約」というものが採択され、87の国・地域が署名したそうです。鉱山開発、水銀を含む製品の製造や貿易を規制し、健康被害と環境汚染の防止を目指すものですが、アフリカや中南米、アジアの鉱山特に金鉱では、その鉱石をばらすのに水銀が多用されているそうで、第二第三の水俣病の危険性は減っていません。ですから水俣病と同じような被害を繰り返してはならないという決意を込めて国連でそう名づけられたそうです。
 そのように世界中で有機水銀の事が注目されているのに、日本ではやっとこの4月最高裁で、要件とされてきた複数症状がなくても認定できるという判断を示しましたが、弱者切り捨ての日本、行政は改善に向かって一向に動き出していないと、毎日JPは伝えています。ここにも貧困者や障害者は死ねというアベノッミクスの論理が貫かれそうで、怒りを禁じ得ません。