ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

トヨタ自動車クレイモデル

 「「陶器師は、粘土で制作中の器を自分の手でこわし、再びそれを陶器師自身の気に入ったほかの器に作り替えた」(エレミヤ18:4)
 2013年10月7日の朝日新聞連載「凄腕勤め人」に、トヨタ自動車のクレイモデラー山本学さんが登場していました。
 クレイモデラーとは聴きなれない名称ですが、「クレイ」と呼ばれる特殊な工業用粘土を使って、デザイン画を立体化し、製品の模型を作る人の事です。初めて知りました。それまでは陶芸による作品しか見た事がなかったからです。左の車はその工業用粘土を使って試作した車です。勿論その車に関連した部品も含まれます。画像左はネットから借用。

 山本さんは愛知県豊田市の本社内のクレイルームで作業をしていますが、驚いた事に、仕事は全て手作業だそうです。この記事を読んで、実物大のものをそうやって作るのが信じられませんでした。
 粘土は常温では硬いので、60度に温めて軟らかくしたものを使うそうです。それを発砲スチロールの土台に盛りつけたり、削り込んだりして行くのです。制度も0.1ミリという事ですから、鋼を使うベテランの板金工と同じほどです。クレイモデルはまた、実際に生産する車の金型のもとになるとの事ですから、この0.1ミリという精度は必須です。
 ですから山本さんは道具作りにも細心の注意を払っています。作業に使う道具は50種類以上になるそうですが、とりわけ粘土を削る熊手や表面を滑らかにするへら、線を描くナイフなどが重要で、それも市販のものでなく全て手作りです。

 この試作品の原型は1週間ほどで出来るそうですが、デザイナーとの共同作業になる段階で、粘土を削ったり盛ったりします。上記聖書の陶器師である神と同じように自在に繰り仕上げて行くのですが、神と違い、最終的に完成するまで平均1年かかるそうです。ですからその修行期間も板金工と同じで、「滑らかな面を作れる3〜5年、思い通りの形を作れるまで10〜15年かかった」そうです。ただただその努力に感心しました。
 縄文時代の中期、すばらしい大型で多様な土器が多く作られましたが、彼らはどんな道具を使ったのでしょうか。今その遺跡を発掘しています。