ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

豪の羊毛業界、野犬対策でロバを用心棒に

 「しかし今は、私よりも若い者たちが、私をあざ笑う。彼らの父は、私が軽く見て、私の群れの番犬とともにいさせたものだ」(ヨブ30:1)
  2013年10月26日のウオールストリートジャーナルサイト(日本語版)に、上記の題の記事がありました。
 聖書にはよく羊と羊飼いの関係がたとえ話として出て来ますが、そこに羊の番をする動物の事は意外と載っていません。
 まず上記聖書箇所にある番犬がそれに相当するのは間違いないでしょう。童話にもよく登場します。
 
 ところがオーストラリアではその図式が当てはまらなくなりました。野犬がどの地域でも増加しているという事で、羊番として役立たずになってしまったのです。
 オーストラリアは羊毛生産では、2009年までは世界第一位でした。ところがどこでもそうでしょうが 羊農家の経営者たちが高齢化して、これまでのようにやってゆけなくなった事や、その子どもたちが牧畜業を嫌って都会に進出するなどで、その生産の伸びが滞り、2010年には中国(台湾を含む)がトップになりました。

 この野犬の増加は羊毛業界にとっては脅威で、何とか対策を考えなくてはという事で浮かんだのが、ロバです。
 ロバはウオールストリートジャーナルによれば、オーストラリア以外の国では、オオカミやコヨーテなどの捕食動物から家畜を守るために飼われてきたそうですが、この国では利用されて来ませんでした。
 そこでとにかくロバを多く集め、羊番として役立てる事になりました。「ロバは保護本能が強いことで知られ、羊の群れに一緒に放たれ、羊との間に絆が生まれると、野犬を攻撃したり、追い払ったりしてくれるようになる」とあります。
 意外な性質を発見しました。昔からロバは「西洋においてはロバは愚鈍の象徴としてしばしば用いられる。キリスト教化された中世以降のヨーロッパでもその傾向は変わらずに残る。現在でも各国語において『ロバ』に相当する言葉は『馬鹿』『愚か者』の換喩として用いられる」(ウイキペデイア)とあるように、あまり役立たずのイメージしかありませんでした。聖書でも専ら荷物の運搬で使用されていた事が出て来ます。

 しかしそうではありませんでした。羊農家の人は「ロバに犬を嫌うよう教える必要はない。彼らはそうした性質を本能として持っている」と語っています。それなら羊番として適切なのでしょう。ですからロバは随分捕獲され、その為に供されています。「レンタル」で一匹3万7000円ほどだそうです。
 家畜取引業を営む人々は、羊農家にロバを売却して利益を得ているそうです。
 羊とロバ、なかなか面白い話題でした。