ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

郵政民営化の悲劇の一つ

 「また、彼らは重い荷をくくって、人の肩に載せ、自分はそれに指一本さわろうとはしません」(マタイ23:4)
 私が幼い時、父が連帯保証人をしていた会社が潰れ、戦前下町で母と共に働いて手に入れた東京杉並区の広い家を売却せざるを得なくなり、都下の調布市に移って以来、ずっと貧乏生活が続き、今日も基本的に変わりありません。
 父は反体制派で、慇懃無礼な銀行など利用した事がなく、主体は町の郵便局でした。それで私もずっと郵便局に口座を置いて、こまめに出し入れして今日までやって来ました。
 結構引っ越しが多くありましたが、そのたびにお世話になったのが郵便局です。当時の窓口はのどかで、すごく親切、安心感がありました。
 年賀はがきも執拗な売り込みがなく、自分で局へ行って買って来ました。

 そうした光景が一変してしまったのが、2005年10月の郵政民営化関連法案の成立以後でした。写真はこの法案を通過させた右から竹中平蔵、小泉総理のコンビ。
 私が郵便局へ行って何か変だと思ったのは、局員の動きでした。どこかと似ている、そうだ銀行と同じく、業務に忙しくて、客のほうへ顔を向けず、何かよそよそしい応対ぶりになっていると気づきました。そしてこれまで比較的スムーズに手続きが終わっていたので、待ち時間が少なかったのに、今度は整理券を発行して、かなり順番待ちしなければならなくなった事です。
 そして2013年11月、恒例の年賀状発行と喪中の手紙の季節です。
 朝日報道によると、この年賀はがき、収益性が高い「ドル箱」だそうで、日本郵政の局員は極めて厳しい営業活動を強いられています。何と1人で1万枚というのが今年のノルマになっているそうです。ところが普通に営業していただけでは、300枚が限度で、ノルマの10分の1にも達しません。
 そこで必死になって売り込みをするのですが、身も心もぼろぼろになったところで、4000枚になるのがやっとです。残りが売れなければ査定に響く事になるので、どうしても鬱々とした気分が晴れません。
 そこで何をするのかと言いますと、残った分は自腹を切る事になりますが、それを「自爆営業」と呼ぶそうです。そして買い取ったはがきを、金券ショップなどに転売するのが慣習になっています。
 しかし損は当然出るので、最近郵政局員を辞める人々が多くなっているようです。これが民営化の実態と言えるでしょう。
 先日ははがきでなく郵パックが届く事になっていました。当日午前配達で不在、夜8〜9時までの時間帯で再配達を電話で申し込みました。ところが待てど暮らせどその時間帯に来ません。諦めて寝ようとしていた11時、突然電話が鳴ってこれから届けに行きたいとの事でした。大抵の家ではその時間はもう就寝の時だと思いますが、とにかく平気で電話して来る神経が分かりませんでした。しかし同じ最低賃金に近い労働者、そこは同情と我慢、文句も言わず受け取りました。
 同時にこんな過酷なノルマを課す上司の心情を考えると、怒りが湧いて来ました。