ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

鳥インフルの新しい株は、薬剤耐性となった後でも、強い力を持っている

 「主は、ご自分の羽で、あなたをおおわれる。あなたは、その翼の下に身を避ける…あなたは夜の恐怖も恐れず、昼に飛び来る矢も恐れない。また、暗やみに歩き回る疫病も、真昼に荒らす滅びをも」(詩91:4〜6)。

 2013年12月11日のサイエンスデイリサイトに、上記の題で論文がありました。
 シナイ山シナイ半島の南端に存在)のアイカーン医学校の研究者たちは、インフルエンザの伝染力の強い新しい株、つまりインフルを引き起こすウイルスがその力を維持し、抗ウイルス剤への耐性を示した後でも、人間に深刻な病気を引き起こす事を報告しました。
 上記はA型インフルエンザの新しい鳥株の一つH7N9亜型ですが、若干の説明が必要です。
 インフルエンザウイルスが遺伝子突然変異を起こし、その治療薬に左右されないようになるのは珍しい事ではありません。しかしそうした突然変異は、大抵そのウイルス自身の犠牲をもたらし、複製能力そして人から人へと拡大させる能力を弱めまてしまいます。

 しかし昨年中国で発生したH7N9鶏インフルは、その後その表面にあるノイラミニダーゼ(NA)のうち、アミノ酸が一つ変異し(アルギニン→リシン)、NA−R292K突然変異株と呼ばれていますが、そのインフルは今年少なくも135人の人々に感染し、その発生中に44人の死亡をもたらしました(2013年3〜8月)。
 つまりそれは日本でも知られたインフルエンザ治療薬タミフル(オセルタミヴィール)による治療に抵抗性を示しました。その患者はしばしば長引く深刻な伝染と貧弱な臨床結果をもたらした事になります。いかなるワクチンも現在H7N9亜型インフル防御の為に手に入れる事は出来ません。中国では現在じわじわ拡大しているようです。今のところ爆発的な感染は生じていません、研究者たちが動物実験で確認したところでは、薬剤感受性のある(=薬に効く)ものと、薬剤抵抗のある株の中間程度だからだそうです。でも環境に適応して複製する能力は強く、ウイルスにとって不利益となっていません。それが今回の発見の怖いところです。
 アイカーン医学校の研究者たちは、さらに強力な抗ウイルス剤とワクチンの開発が必要であると言っています。
 *これからが本格的な流行の季節です。私たちもマスク着用と入念な手洗いという基本で、この冬を乗り切りましょう。