ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

石平著『中国の謎』を読んで

 「そのねじれた心は、いつも悪を計り、争いをまき散らす」(箴言6:14)。
 2013年12月図書館でこの本を見つけ、最新のものである事を確認した上で借りました。

 石平氏ですが、産経新聞サイトによりますと「せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得」とあります。現在拓殖大学の教授をしており、産経新聞サイトに[石平のChina Watch]という記事を連載しています。それだけを見ても、石氏の立ち位置は推測されますが、上記の本を読むと、中国について相当詳しい人である事が分かります。
 冒頭で今年3月の全国人民代表大会で、今年の経済成長率(GDP)の数値目標が、何と7・5パーセントであると書かれていました。ちなみに日本ではバブルの時期でも最高6.7パーセント(1988年)だったそうです。
 しかし石氏は、この目標数値を見ただけでも、中国の経済の減速。減退が分かると言っています。バブルが確実に崩壊しているのです。それまで「対外輸出の拡大」と「国内固定資産拡大」という2台の馬車で高度成長を引っ張って来たのが、今急速に崩れつつあります。
 でも中国は7・5パーセントは目標であるけれど、8パーセントを死守せよと発破をかけています。なぜでしょうか?
 それは社会安定の問題から弾き出されたからです。
 米国も日本も貧富の格差がひどくなり、次第に上位1パーセントだけに富が集中するようになりましたが、中国もその実態を追いかけています。即ち現在富裕層は10パーセントですが、その層だけで実に民間貯蓄の75パーセントも占め、残り90パーセントの中間・貧困層は25パーセントしか貯蓄がなく、最下位層ではゼロの状態だそうです。
 勿論国内はインフレ状況ですから、物価上昇は貧困層にとって死活問題です。その中で8パーセントいやそれ以上の成長がないと、貧困層の失業が増大し、中国の社会至るところで、食と職を求め暴動が生じます。石氏によれば、実は9パーセントの成長期でも、中国全体で18万件もの暴動が生じており、その中には日本との関係悪化の中、反日暴動も多く含まれるようになりました。
 広大な中国の事ですから、全土でそれが生じたら、人民解放軍を総動員しても鎮圧出来ず、共産党政権は存亡の危機に至るそうです。今年8月の党の分析でも、国民の焦燥感はますます増大し、爆発寸前だそうです。
 それで昨年今頃、デモの中で初めて毛沢東の肖像がかかげられました。毛の時代は皆貧しくても平等という実感がありました。そしてこの12月26日、中国は毛沢東生誕120年を迎えました。習近平国家主席は、毛が文化大革命で重大な過ちを犯したけれど、その功績を抹消してはならないと演説したそうです。その26日ちょうどタイミングを合わせるかの如く、安倍首相が靖国を参拝しました。安倍内閣への中国の不満は遂に一触即発の段階に来たと言えそうです。
 石氏は特に経済改革がうまくゆかない中、習国家主席は軍国化の道を選択したと言っています。その証拠に彼が就任してから程なく中国機が初めて日本上空を侵犯し始めました。本気で戦争準備を始めたのです。
 はたから見ていた米国は気が気ではありません。なるべき日中韓が仲良くやって欲しいと思っていた矢先の靖国参拝は、米国の神経を逆なでしたようです。
 というわけで、初めて中国の経済を勉強してみて、最近の一連の行動も少し理解出来るようになりました。
 2014年中国は日本に対してどんな手を打ってくるでしょうか。