ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

『アンネの日記』のページ東京や横浜などの公立図書館で破られる

 「エフディが三、四段を読むごとに、王は書記の小刀でそれを裂いては、暖炉の火に投げ入れ、ついに、暖炉の火で巻き物全部を焼き尽くした」(エレミヤ36:23)。
 2014年2月21日の東京新聞朝刊で、中野区、杉並区、練馬区東久留米市などの公立図書館で、『アンネの日記』や、関連する書籍のページが破られる被害が相次いでいることが分かったという記事がありました。それ以後も横浜市の図書館で新たに被害が見つかり、総計300冊以上になっているそうです。

 画像はウイキペデイアからで、アムステルダムにあるアンネ・フランクの彫像。
 アンネがユダヤ系ドイツ人であり、ヒットラーナチス政権誕生と共に、その迫害から逃れる為オランダ・アムステルダムの隠れ家で2年間を過ごして日記を書き、遂に見つかって強制収容所に送られ、そこで15歳の生涯を終えた事は、極めて有名な『アンネの日記』等を通して、日本の若者からお年寄りまで、かなりの人が知っている事実です。
 ユダヤ人は歴史を繙けば、旧約の創世11にある「セムの歴史」の系図の終わり部分に出て来るアブラム(=後のアブラハム)の子孫と称し、ちっぽけな民であるのに「神の選びの民」という選良意識を常に持ち続けて来ました。その為、彼ら以外の民である異邦人の迫害をしばしば受け、「ホロコースト=大虐殺」による絶滅の危機に至った事が何度かあります。
 既に旧約聖書の『エステル記』に、バビロン捕囚後のペルシャ帝国で、絶滅の危機に瀕した記事が出て来ます。そうした長い歴史の延長線上に、ナチスドイツによる「ホロコースト」があります。。その時アンチ・セミティズム=反ユダヤ主義という言葉は、ナチス党政権によるユダヤ人迫害の為の宣伝文句となりました。この事実は隠せません。世界的に確立しています。
 しかしその言葉ですが、1948年に建国されたイスラエルでは、最近現首相ベンヤミン・ネタニヤフが用い、ユダヤ人国家を拒否する人々は反ユダヤ主義だと言って非難しました(http://world.time.com/2014/02/17/israels-netanyahu-calls-boycotters-anti-semites/)。ウイキペデイアによると、彼は急進的な新自由主義者で、サッチャー元英国首相を尊敬しているのだそうです。
 タイム誌のこの記事関連は少ないですが、他のサイトを参照すると、パレスチナ自治区に不法に入植するユダヤ人たちはそこで農業などを営み、その農産物をヨーロッパ連合などに輸出して来ました。しかし特にガザ地区などへのイスラエルの攻撃が止まない為、英国を始めヨーロッパの諸国がこの農産物の取引・販売をボイコットしようとする動きが最近急速に高まり、業を煮やしたネタニヤフ首相は、こうした国々や人々を反ユダヤ主義と言って非難しました。ナチスドイツが使った宣伝文句を、今度はイスラエルの首相が自国の産物の不買運動をする人々に対して投げかけているのです。イスラエル自身によるセム系の優越意識がここでも示されています。神の裁きは必須です。
 それに対してキリスト者は人種を否定し、メラニン色素の多寡で民族を分け、優劣を設けてはいません。「ユダヤ人もギリシヤ人もなく、奴隷も自由人もなく、男子も女子もありません。なぜなら、あなたがたはみな、キリスト・イエスにあって、一つだからです」(ガラテヤ3:28)。
 しかし多数の日本人にはそうした背景は良く解っていないと思います。ですから最近の自民党の人々の一連の発言を見る限り、ナチスドイツ礼賛は明らかで、そうした人々にとって「ホロコースト」の歴史は苦々しく、塗りつぶしたいのでしょう。従軍慰安婦の存在、南京大虐殺の存在などなかったことにしたいのと同じ発想のような気がします。
 私はアンネの日記を裂いた犯人は、そんな人々ではないかと推測しています。ひょっとしたら、図書館職員の中にそういた人々が居て、皆が「連携して」「焚書」しようとしたという事だってあり得るでしょう。これだけの害を外部の図書館利用者が隠れて実行しようとしても、すぐ見つかりそうな気がします。
 いずれにせよ、以前受験生が参考書の特定の部分を破る出来事はありましたが、こうした書籍が大量に破られる事件は前代未聞ではないかと思います。その損失は計り知れません。