ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

らくだの家畜化の問題 イスラエルの最初のラクダ発見

 「パロは彼女のために、アブラムによくしてやり、それでアブラムは羊の群れ、牛の群れ、ろば、それに男女の奴隷、雌ろば、らくだを所有するようになった」(創世12:16)。
 2014年2月3日のサイエンスデイリサイトでは、上記の題で、研究内容が紹介されていました。副題は「考古学者たちは家畜化したらくだがイスラエルに到着した時を特定した」といったものです。

画像はウイキペデイアより。
 テル・アビブ大学の考古学・近東文化学科のエレツ・ベン・ヨセフ博士と、リダール・サピール=ヘン博士は、放射性炭素年代測定法を用いて、いつ家畜化したらくだがレバント南部に到達したか、その時を特定する事が出来たと言っています。彼らの発見はさらに、聖書本文と立証可能な歴史との間の不一致を浮き彫りにしています。
 レバント海というのは、ウイキペディアによると、「広く地中海の極東部の名称である」と定義されています。その南部というのはイスラエルやエジプトを含んだ地域でしょう。
 問題は聖書でほぼ確立している族長たちの年代と、放射性炭素年代測定法によって出された年代との食い違いです。前者はアブラム(後のアブラハム)を始めとする族長たち(イサク、ヤコブヤコブの12人の子らの時代で紀元前2000〜1500年頃、出エジプトで有名なモーセの生きた紀元前1400年以前)の年代であり、放射性炭素年代測定では、今回レバント南部アラバ渓谷(イスラエル南部)から出土した最古の家畜化したらくだの骨の測定より、紀元前10世紀から9世紀頃(紀元前1000年〜800年)にまで押し下げました。その年代を聖書の人物と照らし合わせますと、ダビデ王がおよそ紀元前1000年、ソロモン王がおよそ紀元前973年以後になるので、ダビデの王国以後という事になります。
 放射性炭素年代測定で500年以上の誤差が出た事になります。
 しかし最近の聖書考古学誌サイト(2014年2月7日=(http://www.biblicalarchaeology.org/daily/ancient-cultures/daily-life-and-practice/camel-domestication-history-challenges-biblical-narrative/)では、2002年の考古学誌から引用する形で、家畜化したラクダが紀元前2000年半ばにはメソポタミアに出現し、その元を辿ると、アラビア南東部で紀元前3000年には家畜化した事が分かっています。また創世記では族長時代家畜化したらくだが20回以上登場します。そして冒頭の聖書箇所では、エジプト王パロからアブラハムが家畜化したらくだを入手した事を伝えています(アラビアからエジプトへらくだが進出したのは、紀元前2500年〜1400年と分かっています)
 ですからほぼ1000年間にわたり、カナンの地に家畜化したらくだが居なかったという証拠がどこにあるでしょうか?考古学的調査結果では、聖書の記述の真実さが裏付けられています。「証拠の欠如は、欠如の証拠ではありません」。
 放射性炭素年代測定法に問題があります。半減期約5,730年とされていますが、試料の汚染、仮定の誤り(崩壊率が一定という)、放射性炭素そのものの問題などで、いつも補正を年輪測定法などと併用して使わざるを得ません。原発から出た放射線セシウム137は半減期が30年と言われますが、これは科学者たちが存命中に分かる事なので、その正確さを測定する為の一つのチャンスだと思います。
 それゆえ科学一辺倒な考え方は改める必要があります。文献の慎重な分析が必要でしょう。地震考古学者も古い文献をよく調べています。