ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

東雲国家公務員宿舎で考えた事

 「信者と、つり合わぬくびきをいっしょにつけてはいけません。正義と不法とに、どんなつながりがあるでしょう。光と暗やみとに、どんな交わりがあるでしょう」(コリント第二6:14)。
 2014年2月28日、いつもの金曜国会周辺デモの日でしたが、そちらのルポはSPYBOYさんにお任せして、私は江東区東雲にある国家公務員宿舎の視察に行って来ました。
 きっかけは2月22日の東京新聞小林由比記者のルポからです。
 東京都江東区東雲、東京山の手生まれの私はこの界隈がさっぱりわからず、どのようにして行こうかと思っていました。やっと地下鉄千代田線の日比谷で下車、歩いて有楽町線に乗って豊洲で降りれば、徒歩で行けるという事が理解出来ました。下町とはいえ、東京湾岸の高層マンションの密集地でした。
中央イオンの右手にそびえるのが宿舎です。

 ウイキペデイアによりますと、この建物36階もあり、900戸となっています。竣工が2011年1月で、ちょうど東日本大震災の2か月前、震災が生じてから、急遽ここが被災者を受け入れる避難住宅となりました。小林記者によると、今も1000人を越える被災者が暮らしているそうです。そして福島県富岡町で被災し、ここで暮らす菅野洋子さんが東雲会の世話役として、忙しく動き回っています。菅野さんは3年目になろうとする今年が、今後の事を考える時、一番つらいと言っています。なぜならこの住宅避難者は、2015年3月までに退去しなければならないからです。
 財務省の肝いりで141億6000万円ほどかけて作ったこの贅沢な住宅、ネットの別情報では3LDKの間取りで、家賃約4万8000円とありました。周囲の高層マンションは2〜30万円するそうです。
 それを霞ヶ関など官庁街の国家公務員がこれから「占拠」し、被災者を追い出すのです。ですから入居している被災者の方々の苦悩は大きいです。入口で会った2人の方の話では、ほとんど福島の人々だとの事でした。あと1年で皆流浪の民となってしまいます。
 国は諸手を上げての原発推進、東京都は福島の犠牲の上に繁栄を続けているなどといった意識は、もう忘却の彼方です。舛添知事は東京を世界一の都市にするなどと公言しています。
 私はうかつにもこの宿舎、厳重なセキュリティがかかっていて、侵入しようものなら、すぐ警察に逮捕される事を想像していませんでした。菅野さんは江東区との交流もやって来られたわけですが、私がこの入口で感じたのは、キリスト教伝道者という肩書だけでは、中の人々と接触出来ないという点でした。阿部彩さんの言葉では、ここに入居していても「社会的に排除」されているという感じでした。既に公務員も入居しているわけですから、「原発加害者」「原発被害者」という図式であり、やがて前者からも徐々に排除されるという形になります。そういえば近頃の高級マンション、ロック式になっていて、外部との交流は不可能なものが多くなりました。

 というわけでやり場のない怒りを抑えながら、時間的には国会周辺デモに十分間に合うという事になり、5時半には国会議事堂前駅に到着してしまいました。まだ冬のスケジュールで6時半からですので、1時間も座って、隣の3年前からずっと来ているという人と話を続けながら待ちました。そして開始から40分位で帰途に就いたので、SPYBOYさんとは会えませんでした。この状況はそちらのブログからどうぞ(http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/mobile?date=20140228#1393596621)。
 官庁街の高級公務員でこれから東雲住宅に入居する事を考えている人々は、一体どういう思いでいるでしょうか。