ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

浜矩子同志社大学教授のトリクルラウンド説

 「あなたは心に邪念をいだき、「第七年、免除の年が近づいた」と言って、貧しい兄弟に物惜しみして、これに何も与えないことのないように気をつけなさい。その人があなたのことで【主】に訴えるなら、あなたは有罪となる」(申命15:9)。

 2014年3月16日の東京新聞「時代を読む」欄に同志社大学教授の浜矩子氏が投稿していました。そこに私としては初耳の「トリクル…ラウンド」という言い回しを見つけました。これをグーグルで調べても、私が閲覧した限りでは見つからなかったので、実質浜教授独自の言葉ではないかと思っています。
 浜氏は「こわもて」で、経済に関する論議では、アベノミクス等々、歯に衣着せぬ発言で知られています。過去ログでも触れた事があります(http://d.hatena.ne.jp/hatehei666/20120616/1339838308)。

 新聞記事の題は「あなたの春闘、何春闘?」というもので、政府鳴物入りの賃上げ攻勢に対して、得た大企業の回答などが「チョロチョロ」であり、中小企業以下には全く波及しない状況を、痛烈に揶揄しています。
 それで何春闘という問いに対して、「ひよっとすると、『トリクルダウン春闘です』と答えるかもしれない」と書き、持論を展開しています。「トリクルダウン」は「富も…上から下へと流れ落ちる、そういう理屈だ」と説明した後、それが「けち臭くて、差別的だ。いかにも、おこぼれちょうだいのイメージである」と一喝しています。私のようなビンボー人には胸のすくような発言です。
 そして「トリクルダウン」は幻想であり、大いに問題である事を指摘しています。いわく「端的に言って、トリクルダウンはダウンしない。確かにトリクルはすると言っていいだろう。だが、その行く先はダウンではない。ラウンドである」。
 これを「慧眼」と言わずして何でしょうか。ラウンドもちゃんと説明しています。「富は、富める者から富める者へとグルグル回る。富のメリー・ゴーラウンドだ」。
 ですからそこから排除されている人々の現状は何も変わりません。「決して、何もトリクルはしてこない」とぴしゃり。裏付けは次の通りです。
 「トリクルダウン効果を強く主張したイギリスのサッチャー政権下においても、アメリカのレーガン政権下においても、経済格差は拡大した」。
 ちなみに今アベノミクスによる恫喝の結果、大手企業ではどれほどのトリクルダウン効果があったかと言えば、大手企業のトヨタで月額2,700円、鉄鋼大手で2,000円程度だそうです。ダイハツやスズキ自動車などはゼロ回答でした。まして経営の苦しい中小企業にベアなど望むべくもない状況です。
 同じように子どもの貧困に取り組んでいる阿部彩氏も、『子どもの貧困2』の中で、「景気回復は貧困対策となり得るか」という問いに対して、豊富な統計資料を基に、「貧困層に『トリクルダウン』するわけではない」と断言し、「経済成長が、最貧困層の所得の増加と結びつくためには、政府からの現金給付といメカニズムが必要だったのである」と述べています。
 日本の場合4月からの消費税増税貧困層を苦しめ始めましたが、政府の現金支給は、たった1回限り1万円から1万5千円の臨時の給付金が支給されるだけです。しかも最近発表されたその内容は、で市町村民税(均等割)非課税者に限るという過酷なものです。
 既に消費税増税を見越して、食料品の価格が上がっていました。貧困線に近い私は非常に苦しくなります。恐ろしい世の中になりました。