ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

新東京国立競技場設立の暴挙

 「富む者たちは暴虐に満ち、住民は偽りを言う。彼らの口の中の舌は欺く」(ミカ6:12)。
 新東京国立競技場の計画案に対して建築家の槙文彦氏が反対している事は、過去ログで触れました(http://d.hatena.ne.jp/hatehei666/20131023/1382487216)。またこの計画案に反対する人類学者の中沢新一氏が、五輪史上最大となるこの新競技場を造らず現競技場の改修で済ませ、建設費を大幅に削減する代替案の作成を、先頃やはりブログで触れた建築家伊東豊雄さんに依頼していた事が、5月10日の東京新聞から分かりました。東北の仮設住宅改良で次々と良い仕事をしている伊東さんなら、そのノウハウを生かして立派な案が出来ると思いました。これは12日に公表する事になっていましたが、驚いた事に、その案を記事にしたのは朝日新聞だけだったようです。ところがこの案そのものは朝日のデジタル版にしか載っていません。朝日その他マスコミの怠慢に怒りを感じます。そこでネットの建築エコノミスト森山のブログ(http://ameblo.jp/mori-arch-econo/)からそのイメージ図をお借りしました。図のピンクの部分が仮設住宅からヒントを得たそうです。

 この計画案で現在見込まれている総工費1692億円の半分以下、777億円で改修可能なのだそうです。
 朝日記事によれば、中沢氏はこれなら「『もったいない』の文化を日本の建築思想として世界に発信できる」と言っています。 七月にはもう国立競技場の解体工事が始まってしまいますが、そこに人手不足、資材不足が生じ、中沢氏は「これを東京に回すことで、東北の復興は決定的に遅れる」と述べ、安倍首相の言う東北復興と五輪との両立は矛盾」だと糾弾しています。


 さらに5月19日の東京新聞で、建築家の堀池秀人氏もこの新競技場について、「暴力的なその巨大さは、さらに都市への侵略までをも想わせている」と手厳しく批判しています。
 都市への侵略とは、明治神宮から表参道などに至る貴重な緑の集積している場所の緑を無くしてしまう事です。右図は東京にこんな鬱蒼とした緑があるのかと驚かせる表参道です。左図が堀氏。
 堀氏は東大都市工学科出身で、ロス五輪の時都市計画に加わりました。氏によれば、ロス市長は競技場や既存施設を全て再利用し税金を節約、得た収益を社会福祉政策や、ダウンタウンの修復・再開発、低所得者用公営集合住宅建設などに割り振り、「見事に市民に還元できた」そうです。
 それと比較すると、今度の新国立競技場設立計画には知性も理性も欠落していると批判しています。鋭い論考ですが、東京新聞に掲載されたのは幸いでした。既に他の大手某紙でボツにされています。反対!と訴えるほどの情報が欠乏してしまいました。
 こんな裏の力も働き、マスコミが萎縮している中、五輪が開催されその華やかな演技に見とれる人々はセシウム137など半減期にも達せず、從って完全な復興など思いもよらない福島で、無念のまま死んで行く県人と、その頃放射能の影響でますますがんが増え、将来を奪われ死んでゆく子について、「彼の血の責任をあなたに問う」(エゼキエル33:8)