ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

原子力規制委の島崎邦彦委員長代理、事実上の更迭

 「この出来事の後、アハシュエロス王は、アガグ人ハメダタの子ハマンを重んじ、彼を昇進させて、その席を、彼とともにいるすべての首長たちの上に置いた」(エステル3:1)。
 原子力規制委員会は、その設置法の公布により2012年9月に発足しました。委員長は田中俊一氏、委員長代理として島崎邦彦氏、他に更田豊志 氏、中村佳代子氏、大島賢三氏が、初代委員長・委員として任命されました。
 その主旨が原子力規制委員会設置法第一条に載っていますが、「原子力利用における安全の確保を図るため必要な施策を策定し…」とあるように、初めに原子力発電所の存続ありきで法制定が行われた事はが明らかです。3・11を踏まえ、世論対策上からも、従来より厳しい審査を行い、既成の発電所の欠陥を是正し、新発電所の設置認可をも視野に入れてスタートさせたわけです。
 ですから原発の完全廃止を求める私たちの運動とは真っ向から対立するもので、当初から批判が続出していたと記憶しています。
 手元に新聞など資料がないので、その2年に満たない期間でどれほどの仕事をやったのか、ネットなどを参照しなければなりませんが、目立ったのが原発敷地を通る活断層の調査ではなかったかと思います。各電力会社のこれまでのなおざりな調査とは異なり、実際活断層と思われる場所でトレンチを掘り、専門家が喧々諤々の意見を述べていた事は覚えています。
 そしてその中枢にいたのが委員長代理の島崎邦彦氏だったと思います。左画像が島崎氏。ウイキペデイアより。

 島崎氏は東大理学部で地球物理学を専攻し、地殻変動にも詳しい専門家です。だからとりわけ原発直下、又はその周辺の断層活動について精査し、敦賀2号機など廃炉を主張して来たと思います。しかし管轄する日本原電の再調査などでそのトーンは弱まった感じです。でもここまで良く頑張ったと私は思います。
 そこへ5月28日東京新聞の見出しが飛び込んで来ました。「規制委人事も安倍カラー 慎重派・島崎委員、再任されず」です。
 その記事の中に「『島崎さんは必ず代えないといけない』。任期が満了しても委員の再任は可能だが、自民党の有力議員はこう明かしていた」というのがありました。それだけ見ても、原発再稼働に慎重だった島崎氏を更迭する意図はありありでした。
 そして安倍首相が新たに任命したのが、田中知(さとる)東大教授でした。他の一人は省略。右下画像が田中氏。http://vektavekta.blog.so-net.ne.jp/からお借りしました。

 上記原子力規制委員会設置法第一条には、「その委員長及び委員が専門的知見に基づき中立公正な立場で独立して職権を行使する原子力規制委員会を設置し…」とあって、5月30日の東京新聞ではその点を厳しく突いていました。
 なぜならその人選の欠格要件として、東京新聞は「就任直前の三年間に原子力事業者やその関連団体の役員・従業者だった人。もう一つは、同じく直前三年間に原子力事業者から個人として五十万円以上の報酬を受け取っていた人」と記述しています。
 その欠格要件に田中知氏は該当するというのです。田中氏は元日本原子力学会の会長で、現在原子力利用を研究する財団法人エネルギー総合工学研究所の役員となっている事、さらに日本原子力産業協会の役員等の報酬で年間五十万円を受け取っており、日立GEニュークリア・エナジーなどから「工学研究のため」として少なくとも二〇一一年度までの四年間、毎年計百十万円の寄付を受け続けていたからです。
 ですから「中立公正な立場」には大いに抵触する危険人物となります。いわゆる原子力ムラの中心人物です。
 安倍首相がこんな人を規制委員会の新人事で選んだのは、勿論原発推進、それも再稼働を早める事が目的でしょう。
 私たちは田中氏が原発推進者たちから収賄を得やすい性格に鑑みて、地検特捜部などには鋭く目を光らせて欲しいと願います。