ロナルド・スターリングの人種差別発言
「以上が、その国々にいる、ノアの子孫の諸氏族の家系である。大洪水の後にこれらから、諸国の民が地上に分かれ出たのであった」(創世10:32)。
今日ダーウインの進化論が当たり前のようになっています。特に人種問題は根強く残っています。
4月29日、米国のNBA(プロバスケットボール協会)コミッショナーであるアダム・シルバー氏は、ロサンジェルス・クリッパーズのオーナーであるドナルド・スターリング氏を、NBAから永久追放処分し、250万ドルの罰金を課す決定を発表しました。写真左の右側の人物がスターリング氏。その左がスティビアーノ氏。
4月25日、いつだか特定されていませんが、試合の観客席に居たスターリング氏が、隣の友人である黒人女性V・スティビアーノ氏との会話の中で、「黒人との交友を吹聴するな、試合にも連れてくるな」などと述べて、その人種差別的姿勢を露わにした為、反響が大きくなり、クリッパーズの監督・選手、他チームの選手やオーナーまでもがスターリング氏を非難し、さらにオバマ大統領までもが非難に加わりました。(*ちなみにNBA選手の8割近くが黒人です)。
写真右は抗議するクリッパーズの選手たち。服が裏返し。http://ameblo.jp/tuttie-manila/entry-11843460434.html)からお借りしました。
そして厳しい決断を下したアダム・シルバー・コミッショナーは、スターリング氏に球団の売却も要求してゆくつもりだと述べています。
スターリング氏は1934年ユダヤ系米国人としてシカゴで生まれ、今年80歳になります。不動産業で成功し、億万長者の1人となっています(資産およそ19億ドル?)。彼はクリッパーズを1981年に1260万ドルで獲得し、ずっとオーナーでした。ウイキペデイアによると、その資産価値は5億7500万ドルだそうです。
5月12日のタイム誌によると、「私はひどい過ちを犯した。もう二度とそんな事はしない」と、遺憾の意を表明しました。CNNの記者に対して「感情的に取り乱していた」とも述べています。
しかし5月19日のタイム誌によると、スターリング氏は謝罪を撤回したようです。報道によると、罰金の支払いを拒否し、訴訟人を雇って、人種差別非難に対して自己弁護する事にしています。
なぜ彼が態度を一変させたのかという事は、やはり5月12日のタイム誌からヒントが得られます。「ユダヤ人は成功すると、同じ仲間の人々を助けるが、アフリカ系米国人はいかなる人々と言えども助ける事を望んでいない」。つまりユダヤ人は気前が良いけれども、黒人はそうではないという事です。この発言にスターリング氏の抜き難い黒人への差別意識が潜んでいます。しかし彼は問題発言は良くなかったけれど、自分は黒人とも付き合いがあるし、決して人種差別を意図したものではない、と自己正当化を図るつもりです。真の悔い改めなどありません。
スターリング氏はユダヤ系で共和党員ですから、「ユダヤ人もギリシヤ人もなく、奴隷も自由人もなく、男子も女子もありません。なぜなら、あなたがたはみな、キリスト・イエスにあって、一つだからです」(ガラテヤ3:28)というキリスト教信仰に立てません。さらに彼は妻シェリーがいるのに、スティビアーノ氏との密な交際があり、彼女に家を買い与えたり、フェラーリを含む車4台を与えたり、24万ドルも現金で与えたりしています。異常な関係です。その為シェリー氏は夫を訴えています。
それを見ても、彼がモーセの律法を遵守するユダヤ教徒でもない事は明らかです。
私たちキリスト教信徒は、肌の色の違いをメラニン色素の濃い薄いだけで区別し、人種など存在しません。ABという2種類の遺伝子で、メラニンの産生を制御しています。父親がAB、母親もABなら、子はAABBでメラニンが非常に多く、色黒になります。父親も母親もabであれば、子はaabbとなり、色白となります。父親がAB、母親がabなら、子はAaBbで褐色の色合いとなります。
これがダーウインの進化論では、ヒトはサルから進化し、さらに進化して様々な人種が生まれ、或る人種は他の人種より優れているという事になります。冒頭の聖書の教えとは真っ向から対立します。
おそらくスターリング氏は失墜するでしょうが、人種差別は米国で今後も根強く残るでしょう。