ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

イラク北部新ジャール山でイスラム国に包囲されているヤジド派

 「わずかな人々が住む小さな町があった。そこに大王が攻めて来て、これを包囲し、これに対して大きなとりでを築いた」(伝道9:14)。
 2003年に米国を主体に始まったイラク戦争、現在も情勢は混迷を深めており、イスラムスンニ派過激組織「イスラム国」の成立で、いっそう危機的状態が続いています。
 2014年8月6日のタイム誌電子版では、「捕らえられ殺されるか、飢え渇きで死ぬ危険を覚悟すべきか。シンジャールの難民が直面する恐ろしい選択」といった題の記事がありました。

 書き出しは「数万のイラク人が水も援助もなく荒れた山で閉じ込められています。もし彼らが山から下りると、スンニ派の軍によって殺戮される危険性があります。世界の注目がガザでの戦闘に集まっているので、国際的注目はイラクで展開されているぞっとするような人道的な危機には、ほとんど払われていません」というものです。
 このイラク北東部に住むクルド民族の中の少数派をヤジド派と言います。彼らはゾロアスター教に似た古代宗教に従っています。これは拝火教とも呼ばれ、私は高校の世界史で初めて知りました。コトバンクによると、「紀元前六世紀頃のペルシャの予言者ゾロアスターツァラツストラ)が始めた宗教。ペルシャ民族宗教を二元論で体系化したもの。光の神・善神アフラ=マズダと,暗黒の神・悪神アーリマン(アングラ=マイニュ)の確執から一切を説明し,ついに悪神は敗れて暗黒の中に追放されるとする。善神の象徴である火を崇拝するところから拝火教とも呼ばれた」とあります。
 この宗教をイスラムスンニ派過激派組織「イスラム国」は、悪魔礼拝と決めつけ、ひどい弾圧をしています。
 8月17日の東京新聞によると、イスラム国は車で村に入り、ヤジド派の人々に対して「改宗か、死か」という選択を迫り、イラク政府の情報として、「少なくとも五百人のヤジド派住民が殺害され、少女を含む三百人の女性が拉致された」とありました。
 ヤジド派が逃げたのはイラク北部のシンジャール山という所ですが、既にイスラム国がこの山を包囲している為、高齢者や子どもを中心に、千人以上が取り残されているとの事です(8月15日東京新聞)。
 オバマ米国大統領は、イラクに対してもうこれ以上介入する予定はないとして、撤退の方向に向かっていましたが、このイスラム国の新ジャール山攻撃に黙っていられず、遂に8月9日より空爆を始めました。それにより米国はかつてのベトナム戦争のように、泥沼に陥りそうです。
 キリスト教の歴史の中でも、律法を厳格に守るパリサイ派というユダヤ人の一派がいて、クリスチャンたちを迫害し、捕らえては死刑にしました。その中にいたサウロ(改心してから有名なパウロと改名)は、復活のキリストと出会い、キリスト教に回心したのでした。ユダヤ教の人々はクリスチャンを認めていませんが、クリスチャンは彼らに働き、和解の努力を続けています。ヤジド派の迫害から、そうした事を考えてみました。いわゆる「原理主義者」の危険性を改めて考えさせられました。