ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

原発再稼働後に事故が起きてもスピーディ活用せず

 「昼間は雲の柱によって彼らを導き、夜は火の柱によって彼らにその行くべき道を照らされました」(ネヘミヤ9:12)。
 2014年11月25日の河北新報サイトを見ていて、非常にびっくりした事が一つありました。見出しに「再稼働後SPEEDI活用せず・規制委」とあったからです。
 SPEEDIは日本語読みでスピーディ、その意味は「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」です。
画像は朝日新聞サイトより借用。
 ネットの情報では、このスピーディは文部科学省の管轄で、実際には財団法人・原子力安全技術センターというところが運用しています。ウイキペディアを参照しますと、このシステムは100億円以上かけて開発されたそうです。3・11直後から、データ不足や不明があったものの相当な試算が行われ、その結果は14日に外務省を通して米軍にいち早く伝えられていました。それを受けて福島第一原発から80キロ圏内に住む米国人が迅速に避難した事は、私たちの記憶にまだ新しいところです。
 しかしそのデータは日本国民には公表されませんでした。3月15日当時の高木文部科学大臣が「一般には公表できない内容であると判断」し、この重大な情報が隠匿されてしまいました。国民がパニックに陥るという恐れがあったからです。 それが明るみに出たのが、3月23日で、その一部が公開され、完全に出そろったのは、それから2カ月後だったそうです。

 このコンピューターによる予測範囲について、2012年7月5日の国会事故調査委員会・調査報告書では「初動の避難指示に活用することは困難」との見解を出しました。しかしほぼ20日後に出た政府の事故調査・検証委員会の最終報告書によると、毎日新聞が主張するように、2011年3月15日に2号機から放射性物質が大量放出し、北西方向の福島県飯舘村方面に広がった件について、この予測結果が出たのと同時に公表されていれば、 住民は北西方向に逃げずに済んだ事になります。
 私も素人ながら政府の事故調の結果に同意します。この初動時の重大なミスが、飯館村を始めとする広範な地域での住民の大量被ばくを招いたのは、当然の事だと考えます。
 福島でのこの貴重な体験から、スピーディの存在価値は十分あると判断しましたし、今でもそう考えています。
 しかし冒頭で触れたように、河北新報によれば、「原子力規制委員会原発の再稼働後に事故が起きても活用しない方針」だそうです。理由は「予測の精度を見通せないため」だとの事ですが、全くナンセンスだと思います。精度とか実測値だとか持ち出さないでも、とにかく公表する事に意義があり、原発のある地域の人々の逃げる方向を決めるための、或る程度の目安になる筈です。
 来年にも川内原発が再稼働に入る予定ですが、原子力規制委員会はもはや全く役立たず、原子力「推進」委員会と名称を変えたほうが良いと思います。