ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

経済協力開発機構トリクルダウン経済はねつける

 「しかし、女は言った。「主よ。そのとおりです。ただ、小犬でも主人の食卓から落ちるパンくずはいただきます」(マタイ15:27)。
 2014年12月8日の英国ガーディアンサイトで、「貧富の格差はいかに経済成長を妨げているか、という事が明らかになった」という題で、経済協力開発機構OECD)の報告を載せていました。副題として「経済協力開発機構の報告はトリクルダウン経済をはねつけ、所得格差に対して相当大きな、また統計的にも悪影響を与えている事を指摘した」とあります。
左画像はアンヘル・グリアOECD事務総長。
 「トリクルダウン経済は1980年代のマーガレット・サッチャーロナルド・レーガンの主要な政策で、英国保守派や米国の共和党は、労働組合を弱くし富の創造を促進するよう企画された政策から、あらゆる集団が益を得る事を確信した」とまずあります。簡単に言えば金持ちが豊かになれば、貧しき人々も潤うというものでした。
 「しかしOECDの優秀な経済頭脳集団は、もし1980年代以来富裕層と貧困層の間の格差が広がっていなかったなら、イギリス経済は20%以上もプラスになったであろうという事が分かったので、トリクルダウン経済説を棄却した」。明快です。
 「OECDによると、人口のうち最も富裕な10%は、今や最も貧困な10%より9・5倍もの所得を稼いでいるが、それは1980年代の7倍よりさらに上がっている。しかしその結果成長は進まず、沈滞気味である」。
 「結論として、所得不平等は成長に対して相当大きな…悪影響を与えている。だから可処分所得において、より大きな平等が得られるような再分配政策は、悪い成長結果をもたらさない」。
 「さらに分配の根本にある不平等こそ、成長を妨げている」。
 「成長のみに焦点を当て、その利益が自動的に人口の各区分にしたたり落ちると想定するなら、不平等が実際に増加している為、結局は成長を損ねるだろう」。
 「他方長期的な不平等の上昇を制限する、或いは理想的に言えば逆転させるような政策は、社会をより公平にし、もっと豊かなものにするだろう」。
 「政府は富裕な個人に適正な分担金をきちんと払わせる為、税制の手直しを考慮するべきである」。
 「アンヘル・グリア事務総長は『この有力な証拠は、高く進んでいる不公平への取り組みが、強力で持続した成長促進の為に決定的に重要な意味を持つので、政策論議の中心となる必要がある』と言っている」。
 さらに2014年12月13日の東京新聞筆洗から補足すると、「格差拡大のために成長率はここ二十年間で米国で6%、日本で5・6%押し下げられた。つまり金持ちはより豊かになったはずなのに、貧しき人は貧しいままで、経済全体の活力もそがれてきた。幼少期から全ての人の機会均等を促進する国は、成長し繁栄する」とも、あります。
 他にもOECD報告では、格差是正のかぎは教育にあり、格差が成長を損なっている主な原因は貧困層の教育投資不足によるとも言っているようです。
 この報告は企業が収益を上げれば雇用の促進となり、賃金も上がると主張するアベノミクスへの強烈な否定となります。格差がいっそう拡大している日本は没落です。安倍首相はこの報告をどんな思いで読んだでしょうか?