ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

川内原発地裁差し止め却下で、火山学者らの異議と考古学上の証拠

 「主】は正しい者と悪者を調べる。そのみこころは、暴虐を好む者を憎む。主は、悪者の上に網を張る。火と硫黄。燃える風が彼らの杯への分け前となろう」(詩11:5−6)。
 2015年4月14日、関西電力高浜原発再稼働差し止め訴訟は、福井地裁樋口英明裁判長の「想定を超える地震が来ないとの根拠は乏しく、想定に満たない場合でも冷却機能喪失による重大事故が生じうる」との決定で、住民側が勝利しました。
 しかし4月22日行われた川内原発差し止め訴訟では、鹿児島地裁前田郁勝裁判長は「本件申立てを却下する」との決定を下し、住民側は敗北しました。翌日の東京新聞社説に「火山地帯の地域特性として、住民側は『巨大噴火の痕跡であるカルデラ(陥没地帯)が近くに五つもある』と噴火の危険を重視したが…」とあるように、この地域は地震だけでなく、火山爆発による原発事故の危険性も訴えていました。しかし前田裁判長は「カルデラ噴火の可能性は小さいと考える学者の方が多い』と一蹴した」のです。
画像は東京新聞から編集。拡大して書いたから3番目が姶良火山。
 ところが5月5日の東京新聞の記事を見ますと、二面の見出しで「学者のほとんど『大噴火ある』」と、裁判長らの「事実誤認」や「曲解」に対して強い憤りと意義の声を上げていました。
 良く知られている東大地震研究所の中田節也教授は、「南九州で巨大噴火が起らない保証はない。決定の中で、自分もいいように利用された。ひどい決定文だ」と憤っています。
 やはり東大名誉教授の藤井敏嗣氏も「ほとんどの学者が大噴火はあると思っている。十年先なのか千年先なのか分からないが、危険がないように書かれてあるのはおかしい」と、地裁が「事実誤認で、科学的ではない」事を断言しています。
 ちなみに前田裁判官は法曹界としては珍しく東大工学部出身で、登山中の事故により両足が不自由となり、車椅子の生活になった事から、前田氏を知る或る弁護士は、「当事者の話を根気よく聞き、人の痛みをきちんと理解する。言葉を選びながら丁寧に話す裁判官」と日経サイトで語っています。しかし私はこの地裁決定に関しては、それは嘘だと断じます。上記地震学者らの声に耳を傾けていないからです。

 ところで問題となっている火山ですが、特に姶良火山灰は考古学でも年代決定の為に重要な役目を果たしています。今回市川市関東ローム層の深掘りをしましたが、見事に出て来ます。ローム層の地層は場所によって厚さ等違いがありますが、おおむね第一黒色帯、第二黒色帯と呼ばれるものとの間に挟まっている、やや黄褐色の地層が存在します。これが姶良(A)丹沢(Tn)火山灰層、略してATn又はAT火山灰層と呼ばれます。年代測定ではおよそ2万5千年前のものと考えられています。姶良火山から飛んで来たこの火山灰、関東地方では厚さ10センチ以上になります。
 九州の姶良火山の爆発で灰に覆われた地域は東北から北海道にまで及び、面積およそ4百万平方キロにもなります。当時九州や西日本は大火砕流で壊滅状態に陥ったに違いありません。
 川内原発を止めない限り、またこうした大火山噴火は起こります。それは想定外ではなく、もし起これば、当然原発は破壊され、核爆発して、福島同様の放射能風(プルーム)は偏西風で、九州から西日本の人々の生命を多く奪う事になるでしょう。
 前田裁判官はその時生きていないでしょうが、この川内原発を再稼働させる責任は一体どこに行くのでしょうか。科学の仮設を過信するな、裁判官たち!