ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

辺野古のもう一つの問題ーサンゴ礁の破壊

 「彼の力は強くなるが、彼自身の力によるのではない。彼は、あきれ果てるような破壊を行い、事をなして成功し、有力者たちと聖徒の民を滅ぼす」(ダニエル8:24)
 今安倍首相が強引に押し進めている辺野古沖への米軍基地の移転問題は、沖縄の人々にとって死活問題であると共に、私たちヤマトンチュウにとっても、深い所で繋がっている大問題です。
 それはまず第一に、沖縄の主権がなおざりにされているという政治的問題です。それは最近の翁長雄志知事と政府側の菅義偉官房長官との会合でよく分かりますが、まさに「問答無用」という管氏の終始一貫した高圧的な態度で分かります。沖縄の民意を無視し、対話や妥協を全く考慮しない政府側答弁は、民主主義の何たるかを全然理解していない証拠です。でもそうした政治的な側面は、ブログの仲間たちが優れた見地から論じているので、私が今更付け加えるまでもありません。
 それより第二に大切な問題を考えてみたいと思います。それは辺野古の「生態系破壊」という生物学的問題です。
 私は2004年8月12〜15日、初めて沖縄本土と伊江島を訪れました。13日の昼頃はちょうど嘉手納基地に近い県道を、中頭郡にある教会の牧師と共に、車で走っていました。そしてその頃沖縄国際大学に米軍のヘリが墜落した事を知りました。基地の危険性を肌で知る事になりました。ウチナンチューの苦悩の一端を垣間見た感じでした。
 翌日私はその友人宅から近いサンゴのある美しい海で泳いでいました。「限りなく透明に近いブルー」。何度も潜ってはサンゴに近づいてみました。それは貴重な経験でした。
 今そのサンゴと、聖書にも出て来るジュゴンの泳ぐ辺野古では、美しい海の一部が埋め立てられ、サンゴ礁が破壊されようとしています。
画像はいずれもネットから借用。
 このサンゴ礁なぜ私たち人間にとって大切なのでしょうか?一つのヒントとして本川達雄著『生物学的文明論』が参考になりました。
 まずサンゴの基本から。サンゴは植物ではなく刺胞動物で呼吸をします。酸素を吸って二酸化炭素を排出します。ではその酸素をどこから得るのでしょうか。それはサンゴと共生している褐虫藻と呼ばれる植物からです。植物は光合成をします。光合成は簡単には説明出来ませんが、要は二酸化炭素と水から上記の酸素と炭水化物を作り出す事です。つまりサンゴは褐虫藻からその提供を受けます。「たっぷりと」。さらに褐虫藻は必須のアミノ酸もサンゴに与えるそうです。

 当然サンゴはそれを消化した後排泄をします。するとそれを褐虫藻が「肥やしとして」もらいうけます。排泄物の処理を全て褐虫藻が引き受けています。人間ならあくせく働いて食べ物を手に入れ、食べた後不要なものを排泄する為トイレに行きます。しかしサンゴは食べ物の心配がなく、トイレに行く必要もなく、呼吸の心配すらないので、本川教授は「これは究極のらくちん生活」と絶賛しています。
 サンゴは受精した後、プラヌラ→ポリプへと変身し、このポリプが「体のまわりにコップ形の石の家をつくります」。ポリプは新しいポリープを作り、大きな群体へと成長してゆきます。そしてサンゴが死んでも、この「石造りのマンション」は残り、サンゴ礁を形成します。サンゴは生きている時、この石の家の中にあって安全ですが、さらに攻撃してくる動物性プランクトンを「刺胞=毒針」で捕らえて食べます。そのサンゴの体内に無数の褐虫藻が共生しているので、褐虫藻も安全なのです。
 かくて「サンゴと褐虫藻のたぐいまれな共生と無駄のないリサイクルが、生物多様性にあふれたサンゴ礁生態系を作り出しているのです」。
 このサンゴ礁に世界の魚の3分の1が棲み、世界の漁獲高のなんと10パーセントがサンゴ礁からだそうです。
 それが今絶滅の危機に瀕しています。なぜか?「すべて人間の活動が原因です」。地球温暖化によるサンゴ礁の白化は、温暖化で褐虫藻が抜け、結果的にサンゴが死んでしまう現象です。
 何より辺野古における基地造成が、それを助長します。昔から攻撃的な米国は、こうしたサンゴ礁の貴重な生態系など一顧だにしません!
 本川教授は著書で生物多様性の事にも触れていますが、それは量的問題ではなく、「それぞれの生物がかけがえがない、質がみな違うのだと、質の問題としてとらえるべきだ」と主張します。そして生態系とは、(そうした)かけがえのない生物たちが、互いに関係を持ち合って、複雑にからみあったシステムをつくっている…さまざまな生態系が関係し合って、地球の生物圏ができており、その中で私たち人間も生きている」のです。だからこの多様な生物たちと繋がっていなければ、人間は死ぬのです!!
「罪を犯した魂は必ず死ぬ」(エゼキエル18:4)
 辺野古でのサンゴ礁の破壊は、究極的には人間の破壊=死に繋がります。だからその観点からも私は辺野古の米軍基地建設に反対します。