ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

脱原発へと人生の方向転換をした人々

 「私は以前は、神をけがす者、迫害する者、暴力をふるう者でした。それでも、信じていないときに知らないでしたことなので、あわれみを受けたのです」(テモテ第一1:13)。
 これを書いたのは使徒パウロです。彼はキリスト教信仰を持つ前、信徒たちを迫害し、「教会を荒らし、家々に入って、男も女も引きずり出し、次々に牢に入れた」(使徒8:3)とあるほど暴れまくりました。
 しかし彼は異邦人(ユダヤ人以外の民族)へキリストの福音を伝える選びの器として、復活のキリストから一撃を喰らい、劇的に会心したのです。
 原発関係でも同じような人物がいます。2人だけ挙げます。
小泉純一郎。画像はウイキから借用。

 小泉氏が首相になった時、経済財政政策担当大臣として、民間から竹中平蔵を採用し、強力に新自由政策を推し進め、郵政民営化を強行に実現させたのは、あまりに有名です。さらにブッシュ米国大統領の掲げる「テロとの戦い」を支持したり、敗戦の日の8月15日に靖国神社を参拝するなど、私たち庶民にとっての「悪行」を次から次へと断行しました。
 小泉氏の新自由主義的経済政策で貧困層が一気に増大した為、私たち庶民の「敵」となったと言っても過言ではないでしょう。
 しかしです。小泉氏が首相の時原発は勿論推進させていたのでしょう。9月4日の東京新聞では「3・11の福島第一原発事故までは、原発が必要だという話を真に受けていた」とありました。それで小泉氏はそれを契機に猛勉強して、「原発のコストは安い、原発はクリーンエネルギーだというようなことが、全部うそだと分かり、立ち上がろうと決意を固めた」そうです。そしてその決意を固めるきっかけとなったのが、2013年8月のフィンランドオンカロ」の見学でした。そこは世界で最初の使用済み核燃料最終処分場となっています。それについてはやはり「2011年3月11日。その後私は変わりました」で有名なkiikochanのブログで詳しく述べられています(http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3482.html)。しかし同行した原発推進派の三菱重工東芝、日立の幹部は改心しませんでした。彼らの目的は同ブログによればオルキオルト原発4号機の発注だけだったからです。「あなたがたは確かに聞きはするが、決して悟らない。確かに見てはいるが、決してわからない」(マタイ13:15)。
 こうして小泉氏は日本の各地を回って、脱原発・再生エネルギー推進を説く講演を積極的に行っています。小泉氏はそれの為の器として選ばれたのでしょう。小泉アレルギーの人はいまだ多くいますが、私は支持します。
2山下勝次。画像はhttp://qbiz.jp/article/70677/1/からお借りし、一部変更。右画像も同様。

 9月16日の東京新聞サイトを見ますと、山下氏は元プラントメーカーで勤務し、川内原発1,2号機の「復水器」を取り付けた技術者です。

 記事によりますと、この1号機の復水器は(2号機も)、1982年当時としては「考え得る最高水準の技術を集め、「当時としては完璧な仕事だった」と、山下氏は回顧しています。ですから原発の「安全神話」を信じている、れっきとした推進派でした。ユダヤ教パリサイ派パウロと同じ信念で、九電営業所に押しかけて来る反対派のデモ隊と、「何度もにらみ合いになり『ろうそくで暮らす気か』と決まり文句を浴びせた」そうです。記事から想像するに、相当気の荒い人で、反対派を罵倒したのでしょう。デモ隊は山下氏の事を忘れませんでした。
 しかし退職後福島第一原発事故が生じ、山下氏の心の中の安全神話は崩れました。氏はこれまで原発を推進して来た事に「罪悪感を抱き」ました。180度の転換です。そしてパウロと同様、原発反対派に与する一人となり、その集会に足を運ぶようになったそうです。
 既に報道されているように、8月11日川内原発1号機は多くの反対にもかかわらず再稼動しました。でも人間のやる事に完璧はありません。僅か9日後山下氏の取り付けた復水器でトラブルが発生しました。配管からの海水の漏出でした。
 山下氏は早速市役所に出向き、声を荒げて「九電はなぜ、チェックしなかったんだ。安全意識がお粗末だ」と叫び、職員に詰め寄ったそうです。
 その後九電側は復旧工事を終えて1号機稼動を再開させ、10月15日には2号機までも再稼動させました。
 そうした中、薩摩川内市では「動きだしたからしょうがない」という、諦めの空気が漂っているそうですが、山下氏はめげません。一人で街頭に立ち、「皆さん、原発を疑って」と訴えを続けています。「いまさら何言ってんだ」という原発推進派の庶民の罵倒を浴びながら。改心した人が一人でも街頭に立つ、そんな山下氏を私も心から応援したいです。