ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

除染マスクの不法投棄問題

 「小さい事に忠実な人は、大きい事にも忠実であり、小さい事に不忠実な人は、大きい事にも不忠実です」(ルカ16:10)
 2015年10月26日の東京新聞に「除染マスクや手袋投棄」という見出しの記事がありました。
 現在福島の多くの地域で住宅や森林の除染作業が行われていますが、その時必須なのが除染マスクと革の手袋、そしてヘルメットと長靴です。汚染地域の最たるものは、大熊町福島第一原発ですが、そこでの作業はさらに身に着けるものが増えます。その廃棄には相当厳重な目が光っていると思います。しかし国の直轄除染特別地域に指定されている楢葉、富岡、浪江、飯館、川内などの市町村は勿論、それ以外の郡山、田村市などに存在するコンビニ(大体これらの地域にはセブンイレブンなどのコンビニが点在しています)の屋外ゴミ箱から特にマスクや手袋が捨てられているとの苦情や通報が、最近とみに増えて来たようです。

 こうした放射能に汚染されたマスクや手袋をゴミ箱に捨てるのは、労働安全衛生法という法規に違反している疑いがあるそうです。しかし飯館村で除染作業をしている或る作業員は、「現場に手袋やマスクの汚染計測の設備はあるがやっていない。面倒なのでそのままコンビニや宿舎で捨てている」と証言しました。

 私は5月末から7月のはじめまで二本松市の森林除染作業に従事しましたが、直轄除染特別地域外なので、そうした計測設備が無いのは勿論ですが、厚生労働省福島労働局からの通達を会社の責任者から聞いた事もありません。おそらくコンビニのゴミ箱を整理している従業員からの通報があまりに多く、フレコンバッグの仮置き場や中間貯蔵施設など大きな事で、住民の反対に遭って途方に暮れている各省庁の役人が、やっとこうした小事(決して小事ではありませんが)で、重い腰を上げたというのが事実ではないでしょうか。
 私が二本松の現場に行く途中にあるコンビニでも、朝や帰りの時間にペットボトルのような小さな投入口でなく、紙くずなどのそれに、手袋やマスクその他雑多なものを無理矢理押し込んでいる人々をよく見かけました。従業員が必死になってそれを再度選別していました。マスクは汚染物質の粉塵を一杯吸い込みますし、フレコンバッグに入れる時手袋でかき回しますから、線量の高い飯館などの森林から出た汚染物が付着したままのマスクや手袋が、コンビニ従業員の手に触れる事は容易に想像出来ます。いかに線量が低いといっても、度重なればどうなるか、まだ誰も把握していないでしょう。
 では私はどうだったかと言いますと、すぐ破れてしまった手袋をアパートのゴミ捨て場に捨てた事があります。家庭ごみと一緒で焼却されたのでしょうが、これは知らないでやってしまった罪だと思いました。
 東京新聞の記事で気づきましたが、毎日の重労働で疲れ切っている作業員が、めんどうな事をする余裕はありません。私と同じアパートにいた人は統括本部長の肩書でしたが、全自動洗濯機で手袋も衣服と一緒に洗っていました。
 こんな小事でも汚染は広がります。一刻も早く原発廃止、無駄な除染の廃止に持ち込まなければという思いを新たにしました。