汚染土の再利用
「また、人に仰せられた。『あなたが、妻の声に聞き従い、食べてはならないとわたしが命じておいた木から食べたので、土地は、あなたのゆえにのろわれてしまった。あなたは、一生、苦しんで食を得なければならない。土地は、あなたのために、いばらとあざみを生えさせ、あなたは、野の草を食べなければならない』」(創世3:17〜18)。
2016年6月8日の福島民報に、「5千〜8千ベクレル以下基準に 汚染土壌再利用で基本方針 環境省」という見出しの記事がありました。この基本方針は6月30日環境省で正式決定されました。図はネットから借用。環境省の利用例。
それによりますと、放射能により汚染された土壌のうち、1キログラムあたり8000ベクレル以下になったものを、道路の盛り土などに使い、土砂やアスファルトやコンクリートで覆うそうです。50センチ以上覆うと、周辺の住民が被曝するのは、年間0.01ミリシーベルト以下に抑えられると計算されました。
ベクレルやシーベルトといった放射能に関わる数値については、何度勉強しても難しいです。
ただ私たちにとって大切な、土地から得る糧の事を考えると、2012年度に出された放射性セシウムの新基準値1キログラムあたり100ベクレル以下(一般食品)が、おおよその目安になります。
しかし原発事故発生以前は、およそ0.1ベクレルほどと言われているので、その千倍になっています。
では原発事故発生当時では、どれほどであったかと言いますと、各地での測定で数十万ベクレルにも達した所が多々ありました。
そうでなくても日本の広範囲の地域で、放射能による土壌汚染が生じた事になります。
今回の8000ベクレルという数値は、どこから出て来たのでしょうか?
それは廃棄物焼却施設で出た焼却灰の埋め立て可能な暫定基準であったようです。それも福島限定での事でした。
この新たな汚染土再利用では、道路整備は福島に限定されません。5000〜8000ベクレルと幅を持たせた数値ですが、8000ベクレルを超える土壌が多くある中、この数値のもの以下を、全国の公共工事で使用する事になるのでしょう。ネットを見ても非難轟々です。
福島原発以前にも、チェルノブイリなどの広範な土壌汚染はありました。しかし今回の福島の汚染は、それにも勝るものがあり、それを国は日本中に撒き散らすつもりです。原発推進でますます増える汚染土の中間貯蔵に限らず、最終処分までの過程で、何とかそれを減らそうという意図から出たものですが、極めて罪深い行為です。減らす為には一刻も早く原発を廃止にしなければならないのに。こんな役人の発想、世も末です。
*多忙と土砂崩れの土砂を運搬中に草負けしたか、何か虫に刺されたかで、左腕の真っ赤に腫れて水泡がひどく、痛みが伴い、夜眠れなくなったので、しばらく休ませて頂きました。1600回の更新まであと2回。続けるかどうか検討中です。ブログ仲間の皆様には大変ご迷惑をおかけします。