ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

いわきにCLT製造拠点が出来る

 「彼は神殿の内側の壁を杉の板で張り、神殿の床から天井の壁に至るまで、内側を板で張った。なお神殿の床はもみの木の板で張った」(列王第一6:15)。
 2016年5月21日の福島民報に、「いわきにCLT製造拠点」という見出しの記事がありました。

 CLTというのはCross-Laminated-Timberの略語で、ネットの情報によれば「直交集成板」即ち「板の層を各層で互いに直交するように積層接着した厚型パネル」という説明がありました(http://clta.jp/clt/)。画像もネットから借用、一部加工。
 今から20年以上前、オーストリアの片田舎で生まれた工法だそうです。そして今や欧米では9階建て高層建築も、それで造られています。
 ネットでさらに検索すると、直交積層接着の為、木材の収縮や膨張が抑えられ、寸法の安定性が格段に高くなり、厚みもあって強度が増す、断熱性,遮音性,耐火性も優れている、耐震性もある、工場で製造・加工される為、工期が大幅に短縮される等々で、これまでの鉄筋コンクリート建築にも優るようです。
 卓越した木造建築が造られて来た日本で、なぜ今?という気がしますが、おそらくゼネコンによる力が強かったからでしょう。それは安藤忠雄氏のコンクリート打ちっ放しの建築に象徴されています。
 しかしコンクリの材料不足や、解体しにくいなどの難点が指摘される中、コンクリから木材へと変換される時は近いと思います。既に安倍政権などは新成長戦略の一つとして重要視しているようです。
 現在西日本特に岡山県の会社などが、いろいろ試作しているようですが、安倍政権は福島の豊富な森林の木も使いたいみたいです。だからいわきに製造拠点という事になりました。実は昨年の今頃あの原発中心地大熊町が有力な候補でした。けれども放射性廃棄物中間貯蔵施設として稼動中の大熊町では、さすが風評という事が気になりいわきにしたと推測します。
 ここ福島なら五輪の施設でも容易に運搬活用出来るからです。特に会津地方の樹木は放射能汚染が少なく安全だと言われているので、CLTを使った建築への取り組みが盛んです。しかし福島の他の地域はどうでしょうか。5年3ヶ月以上経過したものの、まだまだ森林の放射能汚染は深刻ではないでしょうか?
 そう考えながら批判的なサイトを探してみたら、ありました。まだ大熊町がCLT製造拠点の候補だった頃の動き(http://blog.goo.ne.jp/flyhigh_2012/e/b76853de83e1a746f9ba8d3ff7eeaa90)と、いわき市の西隣にある古殿町のスギの木を県内外に売り込もうとする今年の動き(http://blog.goo.ne.jp/flyhigh_2012/e/53a6d232d5b4426ecadb098b254ee7df)で、同じ著者によるブログです。
 このブロガーは前者において、福島産の木材を岡山でCLTに加工するという目論見を指摘した上で、森敏東京大学農学部名誉教授のブログ内容を掲載しています。それは福島のスギの心材の中心部分の放射性セシウム濃度が高くなっているという事実です。それをブロガーは「私は木が汚染された水を吸い上げるからではないかと考えました。つまり、放射性プルームによるフォールアウトが土壌を汚染し、地下水を汚染し、その水を地中から吸い上げた木が内側から汚染されていく…」と推定しています。
 そしてブロガーはいわきへの移動があるにせよ、CLT拠点を福島に置く事は、あの原子力村の企業には放射能汚染を隠蔽し、原発を温存する「何重にもおいしい事業」と断定しています。

 後者は私の家からそう遠くない古殿町のスギの木を、住宅資材として全国に流通させるつもりである事を指摘しています。この古殿町はいまだ「汚染状況重点調査地域」に入っており、そこからのスギの材料が全国に流通すれば、放射能の広い拡散になると、著者は多いに危惧しています。
 私にはそうしたスギなどの木材によるCLTが、東京五輪の施設でふんだんに使われても、どれほど放射能汚染になるのか、あまりよく分かりません。欧州の高層建築を見ると惚れ惚れとしてしまいます。だからこそ逆に、なぜ福島でCLT事業が原発に先行出来なかったのかと思うと悔しい気がします。原子力村の強大な権力を考えると、深刻な事故を起こし福島の生業を奪ったその罪は重い!