ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

6年ぶり勿来町の圃場整備完成

 「まことに【主】は、ユダの人とエルサレムとに、こう仰せられる。『耕地を開拓せよ。いばらの中に種を蒔くな』」(エレミヤ4:3)。
 2017年6月9日の良く晴れた日、私の住む勿来の海岸近くに出来た圃場と新たに始まった田植えの様子を見て来ました。
 辞書によると、圃場とは「作物を栽培する田畑」とあります。そして圃場整備とは「耕地区画の整備、用排水路の整備、土層改良、農道の整備、耕地の集団化を実施することによって労働生産性の向上を図り、農村の環境条件を整備することである。 農林水産省都道府県の公共事業として行われる」とあります。

 2016年1月に引っ越して来た当時は、津波の痕が生々しく、家々が破損したままで放置され、田畑も荒れ放題でした。海岸に並行して走る国道6号の一部に、ここが冠水したという表示はありましたが、他の地区に比べると正確な情報がなく、目撃した人の話を直に伺いましたが、旧防潮壁を越えてやって来た津波の高さは、たいした事はなかったそうです。
 上の左写真を見ると、いわき市では4月段階で圃場整備を始めたようです。8月頃は工事中で、その一画は立ち入り禁止になりました。我が家は中央常磐線を越えた所すぐです。
 2017年6月にここを歩いた時、一部立ち入り禁止の立て看板はありましたが、たぶんコンクリが完全に乾くまでというつもりだったのでしょう。工事関係者はもうおらず、新しく出来た田んぼに苗床を運ぶ人々が目につきました。既に区画の一部で田植えが始まったのです。実に6年と3ヶ月ぶりでした。写真右。

 しかしちょうど常磐線を挟んで反対側、私が5月に手伝った田んぼとは大きな違いがありました。それは用排水路がコンクリで作られていた事です。写真左の田んぼに用水路から水が流れ込んでいるのが見えます。

 新しい田んぼですが、よく見るとその畔を切って用水路の水を引き込んだ痕はありません。私が手伝った田んぼでは、水を引いた後、他の人の田んぼの為の水が新たに流れ込まないように、土嚢を作りその切った所に入れて水を塞いでいます。ではどうしたのでしょうか?

 右の写真を見ると、用水路(非常に浅い)の中に、円い合成樹脂で作ったようなものがあります。ネットで調べると「分水栓」と言うそうです。なるほど良く出来ています。これがあると、いちいち土嚢をどかしたり、入れたりといった手間は省けます。たくさんある田んぼで土嚢を運ぶ作業は、それが水をたっぷり含んでいて、かなりの重労働になります。
 でもね、圃場整備と言っても、あまりに整い過ぎて、いかにも人工的といった感じです。ここに至るまで塩水で冠水した土を取り替え、コンクリもふんだんに使っているはず。海が全く見えなくなった防潮堤もしかり。ゼネコン大活躍です。庶民へのトリクルダウンはありません。
 それに歩いて来たコンクリ製の広い「あぜ道」のすぐ隣は、圃場範囲外で、いまだ荒地のままです。私が手伝った田んぼで収穫したコメは、近所では美味しいと評判で、私も食べて美味しかったです。しかし勿来だって津波だけでなく、放射能も相当降ったと思うので、初の収穫米のベクレル数だけは検査するでしょうから、こっそり訊いてみます。