ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

原子力規制委員会は原子力推進委員会にしたら

 「盗んではならない。欺いてはならない。互いに偽ってはならない」(レビ19:11)。
 図書館から『原子力規制委員会』(新藤宗幸著)を借りて読みました。
 規制委の初代委員長田中俊一氏、現在の委員長更田豊志委員長は、新聞記事を拾ってゆくと、3・11原発事故を起した東電に対して、最初のうちは相当厳しい批判をしています。東電社長らによる事故対処の生温いやり方に、「激怒」したというような表現がしばしば出て来ます。
 一見国や東電に対し「歯に衣着せぬ」物申しで、記事を読む私たちをスカッとさせ、原子力推進にはいかにも中立的な立場で臨んでいると思わせてしまいます。
 でも時の経過と共に化けの皮が剥がれ、結局は原発推進、さらには稼動40年を超える原発の延長にまで、お墨付きを与えてしまいました。この2人は凄い道化師だと思います。
 新藤氏はこの規制委、そしてその下にある規制庁の組織のからくりを、きちんと整理して私たちに教えてくれます。
 規制委は2012年発足し、同時に原子力規制庁も設置され、規制委の事務局となりました。広範な事項を企画立案します。新藤氏はこう指摘しています。「原子力規制委員会の最高意思決定機関は、五人の委員からなる合議体である。したがって法的にいうかぎり、原子力規制庁の業務は規制委員会の指示にもとづきおこなわれることになる」。しかし続けて「原子力規制庁の各部局がそれぞれの専門的知識・技術・情報にもとづいて業務を遂行し、原子力規制委員会を実質的に支配することも想定される」と言っています。
 これは当たっていると思います。発足時に五人の委員は原子力関係を専門にしていたわけではありません。その中で突出して原発再稼動申請に反対していたのが、地震学専攻で田中委員長の代理を務めた島崎邦彦氏でした。だから2014年5月30日のブログで、私は島崎氏が辞任したのではなく、更迭されたのだと書きました。それを煽ったのが、あくまで推測ですが、原子力規制庁の事務局でしょう。
 これは今の日本での普遍的な構図だと思います。既に鳩山氏の短期辞任は、外務官僚をはじめとする事務方がこぞって反対した為、身動き出来なくなったからという事を書いた人がいますが、事務局こそ実質的支配者なのでしょう。
 その事務局を構成する官僚たちは、原子力安全・保安院からの横滑りが圧倒的に多く、特異なのは公安畑の高級警察官僚が入っており、新藤氏が言うように脱原発・反原発の動向に睨みを利かせているのでしょう。
 現委員長の更田氏は元々原子力事業者の職員だったそうですから、過激な発言をしても、事務局の容認範囲内でという事になります。更に委員長代理は、原子力推進学者の「ドン」田中知氏です。
 かくて原子力規制庁と実質その支配下にある原子力規制委員会は、今後も強力に原発再稼動を進めるでしょう。規制委員会は推進委員会に変更したほうが良さそうです。