火山と原発
「愚かな者の前を離れ去れ。知識のことばはそこにはない」(箴言14:7)。
関東地方で発掘をやる時、終了間際には適当な場所で、関東ローム層という厚い火山灰の層を掘り下げて、地層を確認する。富士、箱根、八ヶ岳などから飛んできたものだ。しかし考古学者は特に鹿児島の姶良火山から飛んで来たものを注視する。年代決定に役割を果たす鍵の地層となるからだ。俗にAT火山灰と呼ぶ。
九州から関東以北まで火山灰が偏西風に乗って飛んで来て、ほぼ日本列島全域を覆った。容易に区別出来る。世の研究では今から3万年ほど前で、いわゆる旧石器などはその層から下には存在しない。
それほど火山爆発による灰と溶岩は広範囲に及ぶ。破壊力は大きい。火山国日本では想定外の噴火なんてあり得ない。
既に広島高裁は、愛媛県伊方町にある伊方原発3号機の運転差し止め仮処分を重く見ず、その再稼動を認めてしまった。9月27日の山陽新聞サイトによれば、「破局的噴火が起きる可能性が根拠をもって示されておらず、原発に火砕流が到達する可能性は小さい」とする判決を行った。「火砕流が原発に到達する可能性が小さいとはいえず、原発の立地に適していない」という高裁の判決に不服を唱えた四国電力の異議を、同じ高裁の異議審は簡単に認めたのだ。
また鹿児島県薩摩川内市にある川内原発1、2号機についても、高裁は地裁の判決を覆した。理由は毎日新聞サイトに要約があって「川内原発が火山の影響に対する安全性の確保の観点から立地不適ではないとした原子力規制委の判断も不合理ではない」とするものだ。
しかし何かおかしい。電力会社、原子力規制委員会、裁判官等、皆エリートの集まりで、相当な知識を持っているはず。しかし神を畏れていないので、人間こそ「万物の霊長」(=万物の中で最もすぐれているもの)と、神を差し置いて、傲慢にも自らをトップの座に置き、その作り上げた知識で、人間は万能、自然の驚異など無いかの如く言う。
「万物の霊長」だが、英語では「man is the crown of creation 」つまり人は神が創造したもの(被造物)のうちの頂点だと言う事だ。創世記1:26に「神は仰せられた。『さあ人を造ろう。われわれのかたちとして、われわれに似せて。彼らが、海の魚、空の鳥、家畜、地のすべてのもの、地をはうすべてのものを支配するように』」とある。だから神は創造主にして全能だが、人は一介の被造物、何をするにも限界があるという事を知らなければならない。
だがご承知の通り、人間は神のご命令に背いて罪を犯し、以後神から離れた。神はその人間のそばにいない。ただその神を信じ従う者のうちにだけ神が臨在し、何事も助けてくれる。
「わたしが悪者に、『あなたは必ず死ぬ』と言うとき、もしあなたが彼に警告を与えず、悪者に悪の道から離れて生きのびるように語って、警告しないなら、その悪者は自分の不義のために死ぬ。そして、わたしは彼の血の責任をあなたに問う』(エゼキエル3:18)というみことばがある。知識のことばはこうした電力会社、原子力規制委員会、裁判官等のうちにない。神に言わせれば彼らは愚か者又悪者だ。私は信仰ある悪者、このブログで警告した。あとは神に委ねるのみ。