ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

たたいてのばす 鋼と弟子

 「鉄は鉄によってとがれ、人はその友によってとがれる」(箴言27:17)。
 2013年7月9日の朝日夕刊では、上記の題のもと、大阪府堺市に住む和鉄の伝統工芸士平川康弘さんと、その弟子のフランス人エリック・シュバリエさんの仕事ぶりが紹介されていました。鉄の延べ板を熱しながらハンマーで叩いて鍛え上げる工法で、その鉄を熱している場面が写真に出ていました。
 大阪茨木市にいた時、堺市の鉄を叩き、鋼を鍛え上げた和包丁が有名である事を知り、一度訪ねてみたかったのですが、機会を失ってしまいました。仁徳陵と友人の家を訪問しただけでした。もしあの時こうした工房を訪ねて和包丁を買っていたら、30年後の今も使っていたでしょう。

 この記事は天下一品と題した連載物の中から選ばれたものですが、なぜ堺がという疑問も解けました。「16世紀、ポルトガルから種子島に鉄砲が伝わると、銃身作りに必要な鍛冶屋が集まる堺は短期間で技を身につけ、一大産地になった」とあります。
 平川さんの所では植木鋏などの鋏を手作業で作っています。「佐助」という名称で1867年に創業したそうです。この鋏作りの工程は100ほどになるという事ですから、手がける鋏は包丁と合せて、年間約180丁だそうです。

 5代目の平川さんは一人の弟子だけ抱えており、それが上述のシュバリエさんです。この人もフランスでは先祖が馬の蹄鉄作りの職人だったそうで、この堺の名人の所へ弟子入りしました。しかしここで修業し、一人前になるには、実に15年以上もかかるそうで、これまで挑戦した全ての弟子は、途中で諦めたそうです。
 これを親方対弟子の関係でなく、友人同士でなら「切磋琢磨」という言葉もありますし、上記聖書の箇所もあります。
 しかし政界、官僚の世界、教育界など、人々が磨がれて輝くようになる事例は、果たして多くあるのでしょうか?