ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

プラセボ効果

 「あなたの隣人が、あなたのそばで安心して住んでいるとき、その人に、悪をたくらんではならない」(箴言3:29)
 2013年3月20日のエウレカラートサイトでは、オックスフォード大学などの研究成果を発表していましたが、その題は「英国の医者の97パーセントが、少なくも1回はプラセボを患者に渡している」といったものです。

 今回の研究の詳細はプロスワン誌サイト(http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0058247)に載っています。
 英国オックスフォード大学とサウサンプトン大学の研究者たちの調べでは、自国の医者の97パーセントが、その職を得てから少なくも1回患者にプラセボによる治療を行ったという事が分かりました。
 ここでプラセボとはウイキペディアによると「本物の薬のように見える外見をしているが、薬として効く成分は入っていない、偽物の薬の事である。成分としては、少量ではヒトに対してほとんど薬理的影響のないブドウ糖や乳糖が使われる事が多い」とあります。またプラセボは薬以外でも使われる言葉です。それは「本物の治療のように見せて実質上の治療の機序が含まれないあらゆる治療手段を指す」とあります。
 研究によりますと、医者の97パーセントが「不純な」プラセボを、12パーセントが「純粋な」プラセボを使い、治療を行っていました(*数値が合わない理由はよく分かりません。上気プロスワンでは表がぼやけています)。
 「不純な」プラセボとは、患者を安心させる為、癌にビタミンCのような栄養剤、下痢にプロバイオティックス(=人体に良い影響を与える微生物→プレーンヨーグルトのカップによくそう書かれています)、ウィルス感染が疑われている場合に抗生物質咽頭炎にペパーミントの錠剤というように、「証明されていない」療法を施したり、必要不可欠ではない身体検査や血液検査を行うようなことを言います。
 一方「純粋な」プラセボとは、患者に有効成分が一切含まれていない砂糖のような錠剤を投与したり、食塩水を注射したりする事を言います。
 この研究の為に病気の初期治療を行っている医者1,715人にアンケート調査を行い、783人から回答を得ました。その結果が上記した通り、「不純なプラセボ」を使う97パーセントの医者と、「純粋なプラセボ」を使う12パーセントの医者というように分かれました。「不純なプラセボ」を使う理由は、心理的治療効果を狙ってというのが50パーセント、患者が治療を求めたからというのが45パーセント、特に不満がないという患者に対して35パーセント、患者の気持ちを鎮めるという目的が32パーセントでした。「純粋なプラセボ」を使う理由は、心理的治療効果を狙ってというのが55パーセント、患者の気持ちを鎮めるという目的が33パーセント、患者が治療を求めたからというのが32パーセント、特に不満がないという患者に対して31パーセントとなりました。
 プラセボ療法に対する倫理的な態度では、純粋なプラセボでは、66パーセントの医者らがある状況下では容認出来るとしていますが、他の医者らは「容認出来ない」「反倫理的」などと回答しました。
「不純なプラセボ療法」に対する倫理的態度では、84パーセントの医師らが容認出来るという意見を持っていました。
 ただ医者と患者との信頼関係を危うくする場合は、「不純なプラセボ」「純粋なプラセボ」の双方で、90パーセントの医者が反対していました。さらにそこにごまかしが関与すると、80パーセントの医者が反対していました。 私ならプラセボ=偽薬という言葉から、患者との信頼関係を損ねたり、ごまかしたりという場面が生じる可能性がある時は、あえて使うべきではないと考えます。他の場合は事例に応じてという事になるでしょうが、医師および患者が処置内容を知り得ない状況を作る事が望ましい場合、二重盲検法というのもあります。