ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

さよならシリコン?技術者たちは最初のカーボン・ナノチューブコンピューターを作った。

 「豊かな良い牧場を発見した。その土地は広々としていて、静かで安らかだった。以前そこに住んでいた者はハム系の人々だったからである」(歴代第一4:40)
 2013年9月27日のロサンジェルスタイムズサイトでは、上記の題でコンピューターで使われるシリコンに代わってカーボン・ナノチューブを使ったコンピューターを、スタンフォード大学工学部の研究チームが作ったという事を報じていました。
 コンピューターでは半導体素子としてシリコン(ケイ素を含む高分子化合物)が使われてきて、米国ではシリコン・バレーと呼ばれるIT企業の一大拠点があります。一方カーボン・ナノチューブはチューブ状の炭素原子集合体で、やはり半導体としても利用出来るので、最近活発な研究が進められています。


右図がシリコン半導体チップ(素子)。左図が試作されたカーボン・ナノチューブ・コンピューター。
 熟達した研究者たちによると、私たちが長く使って来たコンピューターは間もなく滅亡すると予言していました。それはコンピューターの構成単位として使われて来たトランジスタ(三個以上の電極を持つシリコンなどの半導体素子で、増幅作用を持つもの)で、特にシリコンの欠陥としては、小さくすればするほど非効率的になり、多くの力を失ってしまう事です。つまり小型化すればするほど、発生する熱の問題が大きくなり、理論的にはシリコンそのものはさらに小さく出来ても、それが熱で溶けてしまい、コンピュータが破壊されるという深刻な問題です。
 その為研究者たちは量子コンピューターというものを駆使しながら、シリコンに代わる素材を探して来ました。そこで浮上したのが、カーボン・ナノチューブです。

 「ベンゼン環などの六角形を作る炭素同士の結合は、ありとあらゆる原子結合の中でも最も強いといわれます。カーボンナノチューブは全体がこの最強の結合でできていますから、極めて曲げや引っぱりに強く、かつ多くの薬品とも反応せず非常に安定なのです。またナノチューブは、電子材料としても非常に優れた特性を持っています。ナノチューブはなんと電気をよく通す良導体にも、また半導体にもなりうるのです」(http://www.org-chem.org/yuuki/nanotube/nanotube.html。図も)。
 幸いにもこのカーボン・ナノチューブ・コンピューターは、全く一から始めるのではなく、シリコン・コンピューターの既存の基本設計を利用する事が出来たそうです。ナノ(=10億分の1)メートルなので、さらに多くのトランジスタを小さな場所に詰め込む事により、カーボン・ナノチューブは一桁分シリコンの性能を改善する事が出来るという事です。
 しかしこれにもやはり欠点があります。それは或る基盤上で増大させるのですが、その時に列の乱れが生じ、悪い繋ぎになってしまう事、電気をよく通すものもある為不純物になり得る事などです。ですからそれらを取り除いて、純粋な半導体のものだけ揃えなければなりません。その技術として半導体になっているものを全てオフにしてから、電流を流し、不純なナノチューブを除去するのです。他にも方法があり、それで解決して出来たのが、178のトランジスタと1ビットのプロセッサを備えたコンピューターでした(ノートパソコン、デスクトップパソコンでは、32か64ビットのプロセッサーで、数十万〜数百万のトランジスター使用)。
 しかしこのコンピューターが市場に出るには、まだ10〜20年かかるそうで、一夜にしてシリコン・バレーがカーボン・バレーになる事はなさそうだという予測がされています。地球を汚さず、資源を無駄遣いしないコンピューターは、果たして実現するのでしょうか。