ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

メチシリン耐性黄色ぶどう球菌に関わる新発見?とその起源

 6月30日の米国サイトのサイエンス・デイリーにメチシリン耐性黄色ぶどう球菌の事が載っていました。頭文字ではいわゆるメチシリン(M)耐性(R)スタフィロコッカス(S)アウレウス(A)、つまり長ったらしいので寄せ集めてMRSAで省略表示しています。むしろこちらの方が有名で、恐ろしい「院内感染症」の一つです。
 これは一般に人体の皮膚で見つかる常在菌ですが、通常は健康な人々に害を及ぼしません。ところが病院に入院していて身体が弱っている人々、じょくそうなどが出来ている人々には感染しやすいようです。亡くなった私の母の場合はじょくそう部分からの侵入でしたが、直接の死因はその菌の為ではありませんでした。しかし衰弱している人々の身体に入り、血流に侵入すれば「敗血症」を起こし、死ぬ確率の高い怖いものとなります。
 ですから大勢の人々が出入りする病院では、MRSA対策は極めて重要になって来ます。以前どこかの記事で、このMRSAが院外にも出て隠れた感染症を引き起こしている事を警告したものがありました。実際ネットにはそうした記事が見られます。
 研究者たち(アンドリュー・エドワーズ博士と、ルース・マッセイ博士)はこの菌が血流に乗って身体の諸器官に侵入する方法を調べました。それによりますと、フィブロネクチン結合タンパク質(FnBP)というものが、その細菌の表面に存在し、人々の細胞と結合して感染させる力を持っているそうです。研究により初めてこの蛋白質が諸器官に侵入するこの細菌の能力の中心的なものである、という事が証明されたと報じられています。
 ところがFnBPの詳しい構造は既に2003年のネイチャー誌電子版にも発表されており(http://www.natureasia.com/japan/mcb/highlights/article.php?i=4428参照)、人の細胞表面にあるフィブロネクチンを標的にし、それと結合する事が解明されています。ですから今回のサイエンス・デイリーでは、ネイチャー論文のものとどう違い、何が初めて立証されたのか、私には今ひとつ分かりません。
 でもそれはとにかく、この黄色ぶどう球菌の起源については、既に創造論AiGのサイトで詳しい研究がされています。
http://www.answersingenesis.org/articles/aid/v4/n1/genesis-of-mrsa
 それによりますと、MRSAは英国の病院で1961年に始めて発見され、瞬く間に米国、オーストラリア、ヨーロッパに広がっています。戦後既にペニシリンという抗生物質への耐性を獲得し、次にメチシリン、最近ではバンコマイシンといった抗生物質に対しても耐性を持っている事が判明し、極めて強力でやっかいな病原菌の一つとなっています。
 でも創世1で神は万物の創造を終えた時、そのすべてをご覧になり、「それは非常によかった」(創世1:31)と言われました。ですから細菌も最初全て良いものとして造られた事になります。それは人間と共生出来る正常な「細菌叢」だったのです。人間の表皮ぶどう球菌である白色に近いスタフィロコッカス・エピデルミデスは、実に皮膚の正常な細菌叢の90パーセントを占めているとの事です。それを考えるとスタフィロコッカス・アウレウス(黄色ぶどう球菌)も最初は良いものとして造られた事になります。それが人間の堕落以後付加された遺伝子によって、腐敗した病原性のものへ変化したようです。
 上記の研究者たちによる研究成果としては、あらゆる抗生物質に対して耐性を獲得したこのぶどう球菌の中心的存在である、フィブロネクチン結合タンパク質に対して、それが宿主細胞表面の受容体であるフィブロネクチンと結合しない新たな抗生物質開発への糸口を与えたという事ではないでしょうか。
 もし実現すれば、もうMRSAは「怖くない」ものとなるかも知れません。