ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

砒素を食べる細菌は生命の基本的要素となり得るか

 12月5日のBBCニュース(英文)には、「砒素を好むバクテリア」の新発見について報じていましたが、ネイチャ誌電子版の12月4日号で詳しく触れられています。「砒素を食べる細菌は生命の化学を定義し直す事になるかもしれない」という題になっています。勿論それに対して創造論の側から反論も出ています。また朝日新聞12月10日号でも紹介されました。
 まずこの砒素(As)ですが、日本ではその中毒で有名です。古くは宮崎県の土呂久鉱山での亜砒酸を製造過程での汚染公害があり、次いで森永ヒ素ミルク中毒事件、和歌山毒物カレー事件など記憶に新しいところです。いずれの事件でも死者が出ています。
 それほど毒性の強い砒素ですが、今回米国カリフォルニア州にあるモノ湖という、通常レベルを超えた砒素を含んだ化学的に異常な湖から、GFAJ-1という真正細菌プロテオバクテリア属プロテオバクテリア門γプロテオバクテリア綱に属する細菌が見つかりました。
 私たちの生命に不可欠な元素は炭素、水素、窒素、酸素、硫黄、リンの6つと言われていますが、この細菌は砒素を食べるとありますから、周期律で言いますと、P(=リン)の下、第15族、原子番号33のものです。図表参照。http://perio-table.softonic.jp/より拝借。矢印Pの下のAsです。

 ところがこの細菌は自然の状態で砒素を食べていたわけではなく、実験室でリンを除いて培養したものです。無理やりこの細菌に対して砒素を「食わせた」わけです。ですから通常リンを食べるこの細菌の38パーセントが成長速度を落とし、構造的にも不安定となりました。確かに人間でも他に食べ物がなければ、いやいやながらも与えられたものを食べるしかありません。しかしそこに自分の好物が加われば、食欲増進するように、この細菌も他に食べ物がなければ砒素だけでも増殖しますが、リンがあれば「旺盛な増殖力」を示します。ですから周期表15族でリンの下にあって、化学的属性が似ていると言っても、ネイチャ誌電子版で指摘しているように、細胞内で重要なエネルギー源となるアデノシン三リン酸(ATP)のような役割を果たせる筈もなく、遺伝子DNAに取り込まれている事も実証されていません。だいたい細胞内に入った砒素は、リン輸送機構を乗っ取り、リンと同じ位置に結合して生体の強い毒性に一役買っているわけですから、砒素がリンに取って代わり、細菌が「好き好んで」砒素を食べるように進化したなどといった早急は結論は出せないとの批判がどんどん出て来ました。
 ネイチャ誌の12月8日電子版でも、改めて批判がされています。それによりますと「砒素の毒性を撃退しながら、可能な限りリンを漁っている」との見方もされています。また論文の一つの計算では、砒素で増殖している細胞のDNAは、実際には砒素の26倍もの多くのリンを含んでいたのに、その事実に気付いて取り出さなかった責任も著者たちにある、という非難も出ました。ネイチャ誌は僅か4日で論文内容に反駁しているように見えます。
 創造主である神は、生体に必須なリンをDNAやATPの中に深慮をもって配置されたわけですから、米航空宇宙局やカリフォルニア大学の研究者たちの「人為的な操作」で、毒性の強い砒素を生命の中心として据えるなど、馬鹿げた事と言えるでしょう。