ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

すさまじい浪費をしてきたかつての米国人

 ジュリエットB・ショア著『浪費するアメリカ人』を図書館で借りて読みました。
 現在米国は大変な不況ですが、1990年代は全く異常なほどの浪費を続けていた事がこの本からよく分かります。
 「見てー欲しくなりー借りてー買う」という生活スタイルは、別に米国に限った事ではありませんが、当時の多数の米国人には貯蓄主義ではなく、消費主義が広く行き渡っており、それが昂じて「浪費主義」にまで至ったのです。つまり「消費したいと言っている以上に消費しており、そして持っている以上に消費している」という事です。そのうち数千万人もの人々が「買物依存症」となっており、精神的に見ても異常な購買欲を示したそうです。
 貯蓄が出来るのにそれをしないで消費に走るというのですから、家計の十分なゆとりもなく生活しており、欲しいものの購入に支障を来たすと、抑制もせずに所持している複数のクレジットカードに頼り、借金しまくるのです。
 彼らは巨大広告に惹かれ、テレビの派手な宣伝に目を奪われ、ありとあらゆる高級ブランド品を買い漁ります。それは勿論他人との比較で、自分の地位を自慢し、差異を際立たせる為です。従ってもし他人が自分よりもさらに優れたものを持っている事が分かれば、競争心からそれ以上のものを買おうと努力します。
 ですから家の中はどんどん狭くなり、いつも整理してガレージセールなどに出さなければなりません。既に持っているもので十分だという気持ちがありません。
 そういうわけで商品開発から販売戦略に至るまでの一連のプラン=マーケッティングが重視され、諸大学での人気講座となっていたのでしょう。
 従来貯蓄性向がなかったという点では、会社の破産など予期せぬ出来事が起こると、たちまち彼らの生活も破綻し、一気にホームレスになってしまいます。現在米国の失業率は9.1パーセントだそうですが、その中にこうした人々もいるのは間違いないでしょう。著者は相当警告していましたが。
 かつての信仰大国が信じられないくらい後退した事を、この本は教えてくれました。
 ではそんな愚かな私たち(この本は日本への警告にもなっています)に対する聖書の教えはどうなっているのでしょうか。
 「すべての世にあるもの、すなわち、肉の欲、目の欲、暮らし向きの自慢などは、御父から出たものではなく、この世から出たものだからです」(ヨハネ第一2:16)。
 ここで「肉」とは、神のご支配から離れた人間の生まれつきの性質、罪に傾き、神に逆らう性質を指しています。神により新生していない生まれつきの人は、欲望の赴くままに行動します。その欲望は私たちの肉体の目を通して入って来る商品の購買によって充足されます。ただ信徒だけが「いま持っているもので満足しなさい」(ヘブル13:5)というみことばを実践出来るのです。