ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

サイエンスデイリサイトに載った2つの脂肪に関する論文紹介

 2012年1月12日(http://www.sciencedaily.com/releases/2012/01/120112134336.htm)と、2月3日(http://www.sciencedaily.com/releases/2012/02/120203113312.htm)のサイエンスデイリサイトで、続けて2つの脂肪に関する論文紹介がされていました。前者の題は「脂肪が好きなのは味蕾のせいである:人間において脂肪を味わう受容器が確認された」といったもので、ワシントン大学の研究者たちが纏めた論文です。後者は「脂肪の多い食べ物を好むのは、遺伝的な結びつきに因るのかも知れない」といった題です。ペンシルベニア州立大学他の研究者たちによる論文です。
 まず前者のほうです。人間の舌は5つの異なる味を察知する事が出来ますが、それは舌に存在する味蕾に因ります。今回初めてその味蕾が脂肪を認識し、それに対する親和性がある事が判明したそうです。遺伝子の変異により、ある人々は食べ物における脂肪の存在に対してより敏感になっています。その遺伝子とはCD36と呼ばれているものです(長鎖脂肪酸と結合し、その細胞内への輸送を促進する働きがあります)。その特殊な変異体を持っている人々は、そうでない人々に比べ、脂肪に対して余計敏感に反応します。このCD36蛋白質がある人々は、その2分の1も少ない人々に比べ8倍も脂肪の存在に敏感です。肥満度指数が30を越えている肥満者21人を対象に研究がされた結果です。実験は3つのコップにそれぞれ少量の脂肪油を入れた溶液、脂肪がないけれども構成は脂肪に似ているのを入れた溶液で、それを飲んでもらう事を何回も試してみました。勿論視覚や嗅覚を遮断した上での事です。個々人がその溶液中の脂肪を同定出来る閾値(ある反応を起こさせる最低の刺激量)を知ってもらう為でした。既に動物の場合、CD36遺伝子を欠いたもので調べたら、脂肪を多く含む食品への好みを示さなかった事、またCD36蛋白質を作れない動物では、脂肪の消化が困難である事が判明していました。実験結果ではCD36遺伝子変異がある人々のうち20パーセント程が、CD36蛋白質を極めて少ししか作れず、脂肪を多く含んだ食品の存在に敏感でなくなっています。
 次に後者の論文主旨ですが、CD36遺伝子のある形態のもの(上記変異体の一つと同じでしょう)を持った人々は、他の形態の人々に比べ、高脂肪の食べ物を好むという事です。こうした人々は肥満になる危険性があります。実験は317人の米国人とアフリカ人男女に対して行なわれました。この2国の人々は肥満になりやすく、従って肥満関係の病気の危険性が多くあります。
 実験は参加者にキャノーラ油(長鎖脂肪酸が豊富)を使用したイタリアンサラダドレッシングを与え、その脂っこさ、脂肪量、滑らかさを舌で評定してもらいました(かなり高いとか低いとか)。同時に各自の食べ物の嗜好(クッキー、チーズ、ケーキなどいろいろ)調査も行いました(相当好きとか、ひどく嫌いとか)。そして研究者たちは唾液から各自がどのタイプのCD36遺伝子を持っているかも同定しました。その結果が上記の通りとなりました。
 大昔なら食べ物の脂肪を認知し摂取出来る人ほど長生きしましたが、今はその逆です。研究者たちはさらに追求するつもりです。
 では聖書は脂肪についてどんな事を言っているでしょうか?
 神は万物創造の際脂肪とそれのある動物を造られました。しかし食べ物としては最初は植物だけでした。でも人間が罪を犯し裸である事を知った後、神はその覆いとして動物をほふり、その皮(脂肪なし)で衣を作られました。これは当然動物の血を流しての罪の覆いとなりますから「原始福音」と呼ばれます。そのあと楽園を追放されたアダム夫妻の子カインとアベルの記事を見ますと、アベルは既に「羊を飼う者」となっていましたから、ほふった羊の脂肪の美味しさは知っていたでしょう(それを感じる味蕾は既に備わっていた筈)。そしてその最上のものこそ神に捧げるのにふさわしいと考え、「初子の最良のもの」を携えて来ました。神はそれを良しとされました。一方土の産物を携えて来た兄カインはその態度が神に良しとされず、怒ってアベルを殺してしまいました。そのカインの末裔から家畜を飼う者たちが出ましたが、彼らも既に動物脂肪の美味さが分かっていましたから、肉食は盛んだったと推定されます。それは義人ノアも同様で、大洪水の後真っ先にきよい家畜から選んで、祭壇で全焼のいけにえを捧げました。その時神は動物を「食物」として、公式に「追認された」のです。それから時が経過して、「出エジプト」で十戒が示された後、神は祭壇で捧げる動物についての規定もされました。それは罪の贖いとしてその血を祭壇に注ぐ事の他、動物の「内臓を包むすべての脂肪」を焼いて捧げる事も含まれていました。その良い香りは天に上り、「主の前になだめのかおり」となりました。

 「その内臓をおおうすべての脂肪、肝臓の小葉、二つの腎臓と、その上の脂肪を取り、これらを祭壇の上で焼いて煙にする」(出エジプト記20:13)。
 これを見ますと、まさに「脂肪」は香ばしい香りがあり、血と共に全て神に捧げられました。律法時代脂肪は神のものでした。
 そうしますとCD36遺伝子は最初全ての人々に備わり、遺伝的変異を経て、それが特に好みとなる人とそうでない人が出て来た事になります。どうもそれは激変となったノアの洪水後であるようです。舌の味蕾は人創造の最初から脂肪を感知する受容器として備わっていた筈という事は既に述べました。ですから脂肪を美味しく食べて肥満にならない人は幸いです!その恵みを神に感謝しましょう。