ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

福島原発2号機の現状

 2012年3月28日の朝日新聞では、一面の小さなコラムに「格納容器内最高73シーベルト 2号機、廃炉長期化のおそれ」という題で記事が書かれていました。こうした記事はほぼ連日の事で、慣れてしまって見過ごす事もあるかと思いますが、少々危ないので(4号機は最も危ないと言われています)、最近の状況を少し自分なりに纏めて見ました。
 きっかけは3月27日の共同通信ニュース(英文)「日本の損傷を受けた原子炉のうちの一つに高い放射線があり、水もなく、安定性への疑問を更新している」といった題のものを、ワシントンポストサイトで見つけた事です。内容は上記朝日に比べ多少数値が雑でした。でも内容は朝日記事を凌駕しています。

まず昨年3月11日の事故ですが、2号機でも15日に爆発音が聞こえたという情報があり、東電の事故調査委員会が調べた結果、ここだけは水素爆発がなかったとの結論に達しています。
 でもそれで安心なのでしょうか。
 2011年11月2日の東電発表では、2号機の原子炉格納容器内気体から、核分裂が起きたことを示す放射性キセノンが検出されたとあります。東電松本純原子力・立地本部長代理は、その可能性を否定しませんでしたが、大規模な臨界状態ではないと語りました。保安院の担当者は全体として安定しており、問題はないと言っています。
 2012年の2月13日、東電は2号原子炉底部で80度以下と定めている温度が93・7度まで上昇した事を発表しました。但し他の温度計が35度程度で、この温度計だけが故障していると推定、この時点でも臨界状態を否定しました。
 それから3月27日の重大な事態の発生となった次第です。これまで2号機では主排気筒付近の配管で、毎時10シーベルト(桁が違います!)を越えた事がありました。それは昨年8月の時点です。しかし今度は格納容器の底部を工業用内視鏡を挿入して調べた結果、何とそこから4・2メートル上部で毎時72・9シーベルトを観測したというのです。
 ちなみに人間は7シーベルトを浴びると一ヶ月以内、20シーベルトを浴びると数日内で死亡すると言われており、72・9シーベルトでは数分間で死亡するそうです。東海村の臨界では作業に当っていた大内さんが16〜20シーベルト以上の被曝で、悲惨な死を遂げた事は記憶に新しいです。
 これにはさすがの上記松本純原子力・立地本部長代理も非常に高い線量である事を認めています。これでは作業員が近づく事も出来ず、内視鏡も14時間しか持たないとの事ですから、そうした高い放射線量に耐えられる機器を新たに開発しなければなりません。
 さらにです。3月26日の内視鏡検査では、水位は格納容器の底から約60センチしかなかったとの事です。但し松本氏によれば「水温は48・5〜50度を保っていて、燃料の冷却は出来ていると述べています。「冷温停止状態」だという事です。しかしそれに対しても、保安院は安全性に問題はないとしています。
 共同通信では昨年12月政府が「原子炉は安全に冷却されており、その設備も安定している」と述べた事を皮肉っています。
 こうした政府の対応については、「彼らは、わたしの民の傷を手軽にいやし、平安がないのに、『平安だ、平安だ。』と言っている」(エレミヤ6:14)としか言い様がありません。でも私たちはこの深刻な事故から、東電・政府・マスコミ・御用学者たちの言う事をそのまま受け取ってはならず、よく自分で考え、確かめるべきだという事を、教訓として学びました。それにしても、上記2号機の異常の知識を重ねてみても、なぜか虚しいです。
 「実に、知恵が多くなれば悩みも多くなり、知識を増す者は悲しみを増す」(伝道1:18)。