朝日新聞の東京五輪に対するアンケート調査結果
「だれでも、自分の利益を求めないで、他人の利益を心がけなさい」(コリント第一10:24)。
2013年3月9日の朝日新聞に、「『東京五輪』に期待していますか?」という題で実施したアンケート調査の結果が載っていました。
それを見ますと、期待していると答えた人の割合は37パーセント、期待していないと答えた人の割合は63パーセントでした。
それを細かく見て行きますと、回答者数3070人のうち、期待している人の理由として、「夢や希望を与えてくれる」がトップで、583人、「景気回復のきっかけになる」が548人、「日本に一体感が生まれる」が455人、「五輪を間近で見たい」が374人、「被災地の復興につながる」が234人、「世界に日本の復活が示せる」が163人いました。
一方期待していない人の理由としては、「巨額の費用がかかる」が1232人、「被災地の復興が優先」が1139人とダントツで、以下「東京一極集中がさらに加速する」が486人、「被災地を利用した招致手法に疑問」が408人、「景気回復のきっかけにならない」が276人でした。
この結果は招致委員会が1月に発表した「賛成」73パーセント、「反対」12パーセントとは、全くかけ離れていました。勿論3070人というサンプルは、さらに増えた場合どうなるか分かりませんが、ある程度納得は出来る結果ではないかと思いました。
私の個人的見解は「被災地の復興が優先」です。震災から2年経過しましたが、岩手・宮城・福島は復興どころではなく、ホットスポットとなった千葉の柏、松戸の除染作業もかなり困難を極めています。津波被害の大きかった千葉県旭市も同様です。
連日の新聞報道を見ても、「頑張り」の記事が散見される他は、被災地では圧倒的に復興が進んでいないと訴える人々の声が大きいです。当然の事でしょう。
原発に限ってみても、福島を犠牲にした上で、原発で発電された電力が首都圏に供給され、経済も生活も潤っている構図は、原発「事件」後も全く変わっていません。首都圏に住んでいた私たち、いや私はその明確な加害者です。それを自己否定しつつ、なおも「原発反対」の声を発信しなければならない立場です。極めて重い重責を負い続けています。どうして上記誘致に期待する人々のノー天気ぶりに同調出来るでしょうか!
何が「夢や希望を与えてくれる」でしょうか!被災者の気持ちが全く理解出来ていない自己中心的な考え方!「景気回復のきっかけになる」?とんでもない!福島景気回復のトリクルダウン幻想は破綻しています。「日本に一体感が生まれる」?嘘です、被災地との間に新たな格差がどんどん広がってゆくばかりです。一体どころか分裂です!
東京五輪期待する、賛成するという人を、私は聖書に従ってさばきません。しかしそうした豊かな幻想を描いている人々は、むしろ「心の貧しい人」になって欲しいものです。