ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

人類は進化しているのかー夏野剛批判

 「人の心は何よりも陰険で、それは直らない。だれが、それを知ることができよう」(エレミヤ17:9)。
 2013年4月6日の朝日新聞に「夏野剛の逆説進化論」という題のエッセイが載っていました。

 夏野氏は早大政経学部を経て米国に渡り、ペンシルベニア大学経営学修士(MBA)を得た人です。帰国後NTTドコモに所属し、松永真理と共にiモード(=NTTドコモが提供する、専用携帯電話を使用し、電子メールの送受信やインターネット上を含むウェブページ閲覧などが出来るサービス)を起ち上げたメンバーの一人として知られているそうです。現在慶応大学大学院政策・メディア研究科の客員教授をしています。また様々なIT企業の取締役を兼ねています。
 それによってこの夏野氏が米国かぶれ、竹中平蔵氏と同じような思想を持っている事が推察されます。それは「安部政権になり日銀総裁が変わり新しい年度を迎え、今は前向きの時」などとあるツィッターの記事からも分かります。
 さらにネット記事を参照しますと、55〜65歳のITに疎い「おじさん」たちを痛烈に批判しています。「オジさんの話を聞くのは良い。でも、絶対に言う通りにはするな」なぜなら「オジさんたちの体験は古くて参考にならないですから」と言っています。
 そうした発言を参考にしながら朝日の記事を見ますと、題にもある通り「進化」の文字が躍っています。そしてこの欄は連載になるようです。「進化論」の好きな朝日好みの人と言えるでしょう。
 「新聞を読まない、本を読まない。スマホばっかりー。今の若者をみて、人類は退化したなどと思う人こそ実は退化している」と、のっけから挑戦的です。そうした壮年世代に対する憤りや怨恨(=ルサンチマン)を感じさせます。
 私は特別それを今の若者だけに限定するつもりはありません。現代の日本人全体に適用されます。当然夏野氏も含まれます。
 そして夏野氏はこの15年間で人類の進化が加速したと考えています。理由は三つのIT革命が起きたからというのです。
 その三つとは1ネットを使っての猛烈な効率革命が起きた事(例えば航空券の予約、ITを利用しての金融取引、新聞などのデジタル化など)、2検索革命が起きた事(ネットで検索する能力が相当に進化した事。情報収集能力が誰にでも備わる時代になった事)、3情報発信能力が拡大した事です。
 その上で氏は「情報の共有、蓄積、伝承の速度とボリュームがとてつもなく速く、大きくなった」ので、「加速する人類の『進化』に追随できる政治や会社のあり方、個人の生き方に向けて、不断の見直しをしているかが、いまを生きる私たちには問われている」と論じています。
 全然違います。IT革命が起きたから人類は「進化した」なんてトンでもない!確かに人類(この人類という言葉は気に入りません。類人猿からの進化を想定させますから。人間としたいところです)は、ITという高度な技術を発展させて来たかも知れません。しかしそうした技術を繰る人間の頭の構造は、少しも進化していません!それどころかどんどん劣化していると考えます。
 一頃デジタル・ディバイドという言葉がはやりました。それはネットによれば「パソコンやインターネットなどの情報技術(IT)を使いこなせる者と使いこなせない者の間に生じる、待遇や貧富、機会の格差」と定義されています。
 事実そのように、現在その技術の発展は、広範な貧富の格差を生じさせており、夏野氏の好きな安倍政権でますます拡大してゆく筈です。それも2割かそこいらの富裕層を除き、ほぼ8割は経済的に困窮した状況に陥り、まして福島原発被災者の方々(そして東北の津波であらかたモノを失ってしまった人々)について、どうして「事故直後から原子力の専門家でも何でもない普通の人が、世界中のWebサイトから論文や資料を入手し、少なくない数の人がメルトダウンを予測していた。この事実を3カ月後に認めた政府より、はるかに高いレベルの知識を一般人が得ていた」などと安易に言えるでしょうか?
 当時緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)が国民に対して隠ぺいされた為、本来なら被曝を避けられた人々が大量に放射能を浴びてしまいました。
 ふざけるな夏野さん!あなたはたぶん聖書のマタイ23:3「ですから、彼ら(=学者・パリサイ人ら)があなたがたに言うことはみな、行い、守りなさい。けれども、彼らの行いをまねてはいけません。彼らは言うことは言うが、実行しないからです」を捩って、オジサンを愚弄しました。しかし一般に老人にはそれまでの長い人生から得た知識や知恵が備わっており、「よく指導の任に当たっている長老は、二重に尊敬を受けるにふさわしいとしなさい…」(テモテ第一5:17)と、神は命じています。しかし「民はおのおの、仲間同士で相しいたげ、若い者は年寄りに向かって高ぶり…」(イザヤ3:5)とのみことば通り、夏野氏は年寄りに向かって高ぶっています。自分はITの専門家、老人に何が分かるといった尊大な態度です。それに翻弄されている貧困者に対する共感の想像力など、まるっきりない心の貧しい者です。
 「あなたは、自分は富んでいる、豊かになった、乏しいものは何もないと言って、実は自分がみじめで、哀れで、貧しくて、盲目で、裸の者であることを知らない」(黙示3:17)。
 「世の富を用いる者は用いすぎないようにしなさい。この世の有様は過ぎ去るからです」(コリント第一7:31)。
 夏野さん、あなたははサルから進化して来た高等な人類だと思っていますが、その「人間」を尊重しないサル以下の下等な動物に退化したのです。所詮ITなどの世のモノは、やがて過ぎ去るものです。その道具にしがみつき、神にかたどられた「人間」本位の事を考えないあなたは、滅びに向かっています!(*いつになく激昂してしまいました。お赦しのほどを)