ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

 「虫垂は30回以上も進化した」

 「しかし、愚かな議論、系図、口論、律法についての論争などを避けなさい。それらは無益で、むだなものです」テトス3:9)。
 2013年2月12日のサイエンス誌サイト(http://news.sciencemag.org/sciencenow/2013/02/appendix-evolved-more-than-30-ti.html)に、上記の題で論文紹介がありました。それが「答えは創世記に=AiG」サイトにおける「注目すべきニュース」で批判されていました。

 問題となったのは盲腸と虫垂の事です。それらはダーウインが進化論を唱え出した1859年以後「痕跡器官」、つまり「退化によって本来の用をなさなくなった器官が、わずかに形だけがそれと分かるように残っているもの」(ウイキペディア)として挙げられています。その為高校の生物学の教科書にも載っていて、よく知られているところでしょう。
 ダーウインは私たち人間の「共通祖先」となる初期の霊長類が堅い葉を食べていた為、大きな盲腸を必要としていたけれども、後に「進化して」もっと簡単に食べられる果物を主体とする食事に切り替わったので、もはや大きな盲腸は不要となり、縮小して今日見られるような小さなものに退化したと想定しました。それに呼応して虫垂のしわも縮んでしまったというわけです。ですからそれは何の機能も果たしていない事になります。でもそうではありませんでした。
 今回研究発表したのは、ミッドウエスタン大学(アリゾナ州)の進化論生物学者ヒーザー・F・スミス氏と、デューク大学ノースカロライナ州)で免疫系を研究している外科医ウイリアム・パーカー氏です。
 それまで虫垂はリンパ系(免疫系)に属する特殊なタイプの組織がある事は分かっていました。それからここ10年間ほどの研究で、このリンパ組織が或る種の有益な腸のバクテリアの成長を促進する事が分かりました。つまりそこは「安全な家」であったわけです。こうしたバクテリアは免疫系を「訓練し」、危険な病原菌を打ち負かして病気を防ぐ事が出来ます。でも時として危険な微生物が優位となり、腸に氾濫する事があります。研究者たちはそうした問題が起こると、有益なバクテリアは虫垂という避難所に後退する事が出来るから、何の影響も受けずに済むという事を解明しました。免疫系がその感染を打ち負かすと、有益なバクテリアは虫垂から現れ、再び速やかに腸に定着する事が出来るのです。
 研究者たちはまた、生きた哺乳動物361匹の食餌の情報を調べ(そのうちの50匹が虫垂ありと確認されています)、それを進化の系統樹の中に置いてみました。そしてその50匹が系統樹の中で広範に広がっているのを発見し、その構造は少なくも32回、多くて38回単独で進化したと推測しました。また特別なタイプの哺乳動物が食餌を変えたら、虫垂が出現するかどうかも調べました。その結果はほとんどの事例で、食餌の変換の兆候は無く、虫垂の進化はダーウインが思ったように進行しない事が分かりました。
 それを見た創造論者たちは系統図が正しくないと批判し、改めて生物がその種類の中で変異しても、新しい種類にはならない事を強調しています。