ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

教科書検定基準の改悪

 「あなたがたは、あなたがたの神、【主】が命じられたとおりに守り行いなさい。右にも左にもそれてはならない」(申命5:32)。
 原発再稼働、憲法改悪、領土問題、秘密保護法と、矢継ぎ早に右翼軍国主義路線を突っ走る独裁者安倍首相、この11月16日には、新たに小中高向け教科書教科書に、何と政府見解記載を盛り込んだ、検定基準改悪を発表しました。

 だいたい安倍政権が標的にしているのは歴史教科書であり、教科書として新たに導入しようとしている道徳教科書でしょう。家永教科書裁判からまだ20年も経ていないのに、今回その検定をいっそう強化しようとする危険な発想です。

 歴史教科書で、戦後の標準的教科書に文句をつけた嚆矢は、西尾幹二藤岡信勝といった人々で、1996年に「作る会」を発足させました。そしてこれまでの歴史記述を自虐史観と呼びました。ウイキペデイアには「自虐史観(じぎゃくしかん)とは、太平洋戦争後の日本の歴史学界において主流であった歴史観を批判・否定的に評価する側が用いる蔑称である。彼らの主張は、戦後の歴史観を自国の歴史の負の部分をことさら強調し、正の部分を過小評価し、日本を貶める歴史観であるとみなしている」とあります。右画像が西尾氏。
 この自虐史観の対極にあるのが皇国史観で、実際前面に出さずとも、西尾らの作った教科書はそれに基づいていたでしょう。広い意味では戦前の東大日本史教室で大きな権力を握っていた平泉渉の史観でした。
 その延長線上に安倍首相がいます。ですから新聞報道を拾って行くと、「多くの教科書に自虐史観に立つなど問題となる記述がある」(15日朝日)、「学説が未確定な事項や特定の事柄を特に強調する記述があった場合、バランスの取れたものにする」(16日朝日)、「愛国心条項を盛り込んだ改正教育基準法に沿って教科書検定制度を改善する」(同16日)などといった表現が出て来ます。
 南京事件従軍慰安婦問題、沖縄戦集団自決…。負の部分を強調しようがするまいが、事実は事実。日本歴史の暗部には違いありません。それを隠ぺいしてどうするのでしょうか。歴史の失敗からこそ、私たちは未来に向けて大きな教訓を学びとるのではないですか。
 イスラエルの歴史については、旧約の士師記に於いて典型的に示されています。それは民が主に対して罪を犯した為、主の怒りを買って罰せられ、異国の地に追いやられ、そこで民が悔い改め、主に救いを求めると、主は憐みによって救い出されるという循環の連続となっています。頑迷な罪→刑罰→憐みと恵みによる救いです。民の罪と刑罰という大きな恥辱、西尾らが自虐史観と呼ぶものが、聖書にあからさまに記されているのです。それは後代への大いなる警告であり、聖なる神自身が暴露された民族の負の側面です。「彼らはいつも逆戻りして、先祖たちよりも、いっそう堕落して、ほかの神々に従い、それに仕え、それを拝んだ。彼らはその行いや、頑迷な生き方を捨てなかった」(士師2:19)。民は主の憐みによって救われ、存続しており、今日に至っています。日本人の歴史も基本的には同じです。
 皇国史観をもとに自国の歴史の負の部分を隠ぺいし、認めない政権は必ず滅びます。聖書の約束です。