ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

肺を越えた毒性:PM2.5は炎症と糖尿病にも関連

 「同様に、舌も小さな器官ですが、大きなことを言って誇るのです。ご覧なさい。あのように小さい火があのような大きい森を燃やします」(ヤコブ3:5)。
 2014年1月1日発行の「環境健康観点」サイト(http://ehp.niehs.nih.gov/122-a29/)では、上記の題でPM2.5(大気汚染物質のうちの微小粒子状物質。粒子径2.5μm{マイクロメートル}以下のもの)が、それを吸入する事で肺に入り、呼吸器に深刻な影響を与えているだけでなく、何と炎症や糖尿病にも関連しているという事を報じていました。左画像はhttp://blog.goo.ne.jp/gannriki/e/b71b27a798affd92009998e4a647f96fよりお借りしました。

 メリーランド大学医療センターのラジャゴパラン氏ら研究チームが、マウスでの実験により解明しました。
 「肥満がある程度進行すると脂肪組織に多数の免疫細胞が集まり、持続的な炎症を起こし、インスリン抵抗性から、2型糖尿病や動脈硬化になる」(ネット情報)というのが、私たち素人の想像する「炎症」と異なるところですが、肥満→糖尿病を恐れている人なら、或る程度理解出来るでしょう。
 私はPM2.5吸入がそんな影響を与えるものなのかとびっくりしました。
 研究者たちによると、以前の研究ではPM2.5を吸い込み、高脂肪食を食べたマウスは、PM2.5を濾した空気を吸い込んだマウスと異なり、インスリンに抵抗性を示す事が分かっていました。そこでチームはCCR2というタンパク質に注目しました。それは内臓脂肪や肝臓といったインスリン感受性のある組織(=インスリンに抵抗性のない組織)に対して、生得の免疫細胞を集めるタンパク質という説明がありました。免疫細胞が集まれば炎症に関係して来ます。
 このCCR2を産生するマウスを、産生しない対照群のマウスと比べてみる事にし、まず研究者たちは両群に高脂肪食を与え、次いで17週間にわたり全てのマウスに、PM2.5を濾した空気か、1立方メートル当たり117ミリグラムを含んだPM2.5の空気を吸わせました。
 するとCCR2を産生するマウスでのみ、インスリン抵抗性が増し、さらに肝臓の脂肪も増加していました。その仕組みは複雑なので省略しますが、得られた結論は上記の如く、PM2.5がCCR2に付随した仕組みを通し炎症性細胞を集めるという事でした。炎症性細胞は免疫系の好中球、マクロファージ、リンパ球や肥満細胞等を指します。この仕組みがタイプ2糖尿病の発症機序における炎症の仕組みと、環境大気汚染物質にさらす事とを直接結びつけているのだそうです。(*再度上記した事から復習しますと、2型糖尿病の発症には、内臓脂肪の蓄積とそれに伴う炎症が重要になります)。
 ニューメキシコ大学のマシュー・キャンペン教授は、「免疫系が肺を越えて、空気汚染物質の毒性を運ぶのに、主要な役割を果たしているではないかと長らく疑われて来た」と言っていますが、今度の結果は強力にそれを支持しています。
 私たちはマスクではPM2.5吸入を抑えられないばかりでなく、肥満であるなら糖尿病や心臓疾患をもたらす危険性がある事を知らされました。
 PM2.5は車の排気、木や石炭を燃やす事、諸々の工業過程で発生します。中国、ラテンアメリカ、インドでは、平均1立方メートル当たり100〜150ミリグラムのPM2.5を含んでいるそうです。
 これを少しでも減らさない事には、疾病は呼吸器病、糖尿病などを越えて、さらにいろいろな病気をもたらすかも知れません。ちなみにPM2.5の環境基準は、日平均30マイクロミリグラム以下となっています。