ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

戦争の悲劇ーボウ・バーグダール米陸軍軍曹の事例

 「彼らに言いなさい。「聞け。イスラエルよ。あなたがたは、きょう、敵と戦おうとしている。弱気になってはならない。恐れてはならない。うろたえてはならない。彼らのことでおじけてはならない」(申命20:3)。
 2014年6月3日、米国のワシントンポストサイトやタイム誌サイトでは、ボウ・バーグダール米陸軍軍曹の事を伝え、その後も引き続き他のニュースサイトの記事になっていました。

 画像はUSA TODAYサイトから借用。
 タイム誌サイトの題は、「5年間に及ぶ監禁の後、その心に生じた事」となっています。ボウ・バーグダール米陸軍軍曹は2009年にアフガンの武装勢力タリバンによって捕えられ、5年間幽閉の身となっていましたが、5月31日のワシントンポストによると、キューバグァンタナモ米軍基地に拘束されていたタリバン兵士5人の釈放と引き換えに、5年ぶりに自由の身となりました。
 軍曹は現在ドイツにある軍の医療センターに送られ治療を受けています。ミネソタ大学の心的外傷後ストレス障害(PTSD)などが専門のブライアン・エングダール教授は、彼が鬱、不安、PTSDなどの症状がある他、深い罪悪感、恥辱、困惑、自分が何者であるかについての喪失感、英語が貧弱になり会話力も欠けている事もあると想像しています。
 彼が過酷なイラクの戦場で、同僚たちの死を多く見続け、PTSDになってしまったであろう事は容易に想像出来ます。しかし彼の心に生じた複雑なトラウマは、軍から脱走した(用を足している時に捕捉されたという説もありますが)という疑惑を受けている事にも現われているようです。
 タイム誌によると、朝鮮戦争で捕虜となった兵士たちに関するトラウマは、第一に負傷と栄養不良から、第二に長引く上記のような心的外傷からでした。しかも彼の場合たった一人で捕虜になった事から、ストックホルム症候群にもかかった事が想定されるようです。それはウイキペデイアによると、「犯罪被害者が、犯人と一時的に時間や場所を共有することによって、過度の同情さらには好意等の特別な依存感情を抱くことをいう」とあります。6月6日のタイム誌サイトに、タリバンの司令官がそれを肯定する発言をしていました。
 おそらく彼の心は「最悪の部分について、人々は語るのを避けようとします。それは最も後ろめたく、最も触れられたくない事だからです」とタイム誌が言っているような状態なのかも知れません(*東日本大震災でPTSDにかかった人は、ほとんど沈黙していると言われています)。
 オバマ大統領は彼の解放を非常に喜び、ハフポストサイトによると、大統領は彼の家族をホワイトハウスに迎えて演説し、「戦争で囚われの身になっている我が国の人間たちを家に帰還させるという、鉄のように固い決意を守り続ける。それがアメリカ人としてあるべき姿だ」と語りました。
 ところが対立する共和党は早速オバマの措置に噛みつき、ガーディアンサイトでこの捕虜交換が「テロリストたちとの話し合いをしないという米国の政策に違反する危険な対処であり、法を破った可能性がある」と非難しました。
 またABCサイトでは、共和党のインホフとかマケオンといった議員が「敵対するテロリストたちは今や米国人を捕える強力な動機を得た。それはアフガンや世界中のわが軍隊をさらに大きな危険にさらす事になろう」と言った事を伝えています。
 「偽善な律法学者、パリサイ人たち(*共和党員たち)よ。あなたがたは、わざわいである」(マタイ23:25)。自分たちで理不尽な戦争をしかけ、敵対者を起こしておきながら、自国の兵士を犠牲に敵対者たちを殺そうとするのですか!
 しかしこれが戦争の悲劇です。安倍ファッショ政権は戦争出来る軍を作り、多くの兵士を戦場に送ろうと目論んでいます。しかしボウ軍曹のような離脱者が、ひ弱な日本の青年たちからごまんと現われる事は間違いないでしょう。