ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

パキスタンで頭の撃たれた少女、奇跡の回復後国連で演説

 「もし、神のみこころなら、善を行って苦しみを受けるのが、悪を行って苦しみを受けるよりよいのです」(ペテロ第一3:17)。
 マララ・ユサフザイさんは現在16歳、2012年10月9日中学からの帰宅途中、スクールバスの中で、武装勢力タリバンの銃撃を受け、頭部と首に銃弾を撃ち込まれて意識不明の重体に陥っていました。
 こういう場合、現地パキスタンの病院という事では、私たちは医療器具も十分には準備されておらず、まず助からないだろうと考えてしまいます。

 しかし彼女はその後英国の病院に転送されて治療を受けていましたが、順調な回復を見せ、約2か月半で退院出来ました。
 イスラム教徒である彼女がなぜタリバンに狙われたのでしょうか?それは彼女が親欧米派であって、欧米の文化を推進していたからという事だそうです。
 一方タリバンイスラム原理主義者たちの集まりです。彼らの聖書はコーラン、そこに記載されている事を文字通り守り、実行しようとしている派です。
 するとタリバンはどうしても欧米の思想、特にキリスト教と相いれず、敵対関係に陥ってゆきます。
 「さらに、【主】の使いは彼女(*ハガル)に言った。『見よ。あなたはみごもっている。男の子を産もうとしている。その子をイシュマエルと名づけなさい。【主】があなたの苦しみを聞き入れられたから。彼は野生のろばのような人となり、その手は、すべての人に逆らい、すべての人の手も、彼に逆らう。彼はすべての兄弟に敵対して住もう』」(創世16:11−12)。
 この敵対する兄弟は、イシュマエルの後生まれたイサクの子孫、つまりイスラエルの家系です。
 「アブラハムは、自分に生まれた子、サラが自分に産んだ子をイサクと名づけた」(創世21:3)。
 マホメットは上記イシュマエルの子孫と言っていますから、この家系がアラブ民族となります。
 その背景がありますから、タリバンは欧米の人々と敵対し、その欧米の文化を受け入れようとするマララさんのような人は、殺せ!という事になります。
 その脅迫は彼女が11歳の頃から始まったと言われているので、さぞ怖かった事でしょう。そして15歳の時予告通り襲われてしまいました。この少女は至近距離から拳銃によって撃たれました。
 あの衝撃から9か月が過ぎ、すっかり元気になった彼女は一転テロには屈しないと、毅然たる態度に変わりました。そしてこの7月12日、ニューヨークの国連本部で演説しました。
 その内容は朝日新聞によると、「教育こそがすべてを解決する」と、全ての子どもが教育を受ける権利を訴えて、「本とペンを手に取ろう。それが一番強い武器」だと言ったそうです。
 しかも彼女の偉いところは、「過激派の子どもたちにも教育を受けさせたい」と語り、テロや暴力の根絶には教育が不可欠だと考えた事です。自分を撃った敵の事もしっかり見据え、その敵を憎まず、敵に手を差し伸べる度量の広さは見倣うところが大いにあります。「しかし、いま聞いているあなたがたに、わたしはこう言います。あなたの敵を愛しなさい。あなたを憎む者に善を行いなさい」(ルカ6:27)。
 私は彼女について言われている欧米文化の推進についてこう考えます。それは原理主義で凝り固まったキリスト教のようなものではありません。かえってその硬直したパリサイ人的な考え方を論駁されたイエス・キリストのような身近な考え方だと思います。コーランの時代と現在は全然違います。その文字通りの実行強制はうまくゆく筈がありません。
 キリストは「そして、あなたがたは真理を知り、真理はあなたがたを自由にします」(ヨハネ8:32)と言われました。そのように私たち信徒は自由にされた者たちですから、自己の責任においてその自由を行使します。
 マララさんはそのようなキリストの思想こそ見倣うべきだと考えたのではないでしょうか?
 同時にキリスト教原理主義を掲げるブッシュ(彼はキリストの本質を何も理解していない偽信徒だと思います)に追い詰められたタリバンの心情も忘れる事は出来ません。