ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

2020年東京五輪と強制移動問題

 「ああ。流血の町。虚偽に満ち、略奪を事とし、強奪をやめない」(ナホム3:1)。
 2014年9月23日の東京新聞に、「東京湾花火 来年見納め? 主催・中央区の観覧会場、五輪選手村に」という題の記事がありました。画像はネットから借用。

 この花火大会は東京湾大華火祭と呼ばれ、毎年8月に晴海埠頭で行なわれ、およそ70万人の人々がそこを訪れるそうです。
 その歴史は比較的新しく、1988年に始まり、1万2千発もの花火が打ち上げられる壮大なものです。
 現在そこは国際都市東京の海の玄関口となっていて、特徴的な客船ターミナルが存在し、隣接して晴海埠頭公園があります。非常に緑豊かで、中央に噴水なども存在する素敵な公園のようです。
 ところが何とそこに2020年東京オリンピックの選手村が作られる事になりました。早くも来年からその施設の工事が始まるので、この花火大会は2年後には見られなくなるそうです。花火観覧会場は中央区が7割近くを支出し維持して来ましたが、これがいわば略奪される形で東京都の管轄になります。そして都は花火の継続に難色を示しているそうです。オリンピック選手村の為に、この中央区の花火大会が犠牲になります。
 もう一つ。新新国立競技場の事があります。そこが拡張されると、都営霞ヶ丘アパートが立ち退きを強要されます。
画像は「反五輪の会 NO OLYMPICS 2020」サイトからお借りしました。
 この霞ヶ丘アパートは1964年東京オリンピック開催時に建て直しがされ、そのオリンピックの施設等建設で追い出された人々も入居しています。都はそうした人々を追い出してそこを壊し、別の都営住宅に移住させる予定でいます。
 1回限りのオリンピックの為、庶民と彼らが親しんで来た施設が駆逐されます。キリストは「安息日は人間のために設けられたのです。人間が安息日のために造られたのではありません」と、人間を軽視する逆立ちした制度を厳しく弾劾されました。
 そもそも福島原発隠しの為に、東京オリンピックが決まったようなものです。その開催による様々な犠牲の事を想う時、その罪は都に帰されます。
 ちょうどそんな事を考えていた時、9月25日の東京新聞の本音のコラムで、法政大学の竹田茂夫教授が、ウイーン出身の経済学者カール・ポランニーの『大転換』という本を紹介していました。竹田教授は「本来、労働・土地・貨幣は商品ではないのに、市場経済に不可欠であるため、強引に商品の形をまとわせる。大衆から生存権を奪って、労働力を売るしかない状況を生み出した構造的な暴力こそ、市場経済への大転換の前提だと説く」と書いていました。そして「資源と環境を無視する成長志向」は、彼の経済学から適用出来る事を添えています。
 ポランニーはマルクスとは又違った角度から経済を考えていますが、ネットの情報を見ますと、「歴史上の大半の人類社会は (1)互恵−対称性、(2) 再分配−中心性、 (3)家政−自給自足、という三つの経済原理−制度的パ ターンから成っていた」という記述がありました。面白そうだったので、早速図書館に予約を入れました。

 今五輪という「悪魔のひき臼」(『大転換』にある言葉)は、晴海埠頭の花火大会とそこの公園を潰し、お年寄りの多く住む霞ヶ丘アパートを押し潰そうとしています。都の誘致に異議を唱え、五輪の中止を再度強く求めます。
 右画像がポランニーで、http://art-random.main.jp/samescale/077-2-1.htmlからお借りしました。