ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

ダム建設のデメリットと八ッ場ダム

 「わたしの民は二つの悪を行った。湧き水の泉であるわたしを捨てて、多くの水ためを、水をためることのできない、こわれた水ためを、自分たちのために掘ったのだ」(エレミヤ2:13)。

 ブログ仲間のiireiさんが私のブログへのコメントで、同じ東大都市工学科出身の嶋津暉之氏の事を紹介してくれました。嶋津氏は、公害原論で有名な故沖縄大学名誉教授宇井純氏が、「ダムの紛争などがありますと、水資源の専門家ということで彼が引っ張り出されます」と言うほど卓越した学者で、しかも今年で10周年を迎えた八ッ場ダム訴訟では、「八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会代表」としてずっと関わってきた闘士でもあります。
 嶋津氏の10周年記念講演はhttps://www.youtube.com/watch?v=aMCAwO0yWmkで見られます。また神保哲生氏が単独でインタビューしたものもhttps://www.youtube.com/watch?v=RpqqM-eN_JAで見られます。
 私は八ッ場ダムと言えば、民主党が政権をとった2009年9月、前原誠司国交相(当時)が建設中止を表明した事を覚えていますが、その後早くも2年経過して建設継続が表明され、がっかりした事位しか記憶にありません。このダムは今年1月からダム本体の掘削工事が始まる事になっています。
 そこで再度ダム建設の欠点(*利点はいずれ崩れ去るので)だけを、ネットの情報から纏めてみますと、1ダムは建造に極めて大きな費用がかかり、しかも極めて高い基準で建造しなければならない、2ダム建造の高い費用は、それらが何十年もの間採算の取れるよう稼働しなければならない事を意味する、3土地の大きな領域の冠水は、自然環境が破壊される事を意味する、4冠水する谷の村や町に住む人々は移動しなければならない。それは彼らが自分の農場や仕事を失う事を意味する、5大きなダムの建造は、深刻な地質学的被害をもたらす。ダムは地震を引き起こすと言われるが、それはダムに溜められた水が地下に浸み込んで行く事と、ダムに溜められた水の重量による影響による、6ダムは湖の水の重みで破壊される、7或る国の川の進行を塞ぐダムは、概して下方の国の水の供給を制御不可能にする。それは離接する国々の間に深刻な問題をもたらす、8大きなダムを建造すると、地下水の水位を変える(http://www.quora.com/What-are-the-advantages-and-disadvantages-of-dams)。

 それを八ッ場ダムに適用してみますと、群馬県が推進する目的(1洪水調節、2飲料水・工業用水の供給、3発電)に対して、1の洪水調節では、大熊孝・新潟大名誉教授(河川工学)が反対し、洪水時のピーク流量の設定が過大であり、計画当初の60年前に比べ、植林などで保水機能が改善している現在、異常に大きな洪水は生じないと述べ、2の飲料水・工業用水の供給では、嶋津氏が反論し、現在水需要は節水機器の普及と人口減少により減り続け、地下水の活用など既存水源のやりくりで十分対応出来ると述べています。さらに3の発電ですが、八ッ場(やんば)あしたの会のサイトを見ますと、八ッ場ダムが出来ると、水力の発電量が大幅に減少してしまうと述べ、その理由を詳しく展開しています(http://yamba-net.org/problem/mokuteki/hatsuden/)。左画像はダム建造予定地。
 一方上記の欠点のうち4番目の問題が補償を巡り最も深刻化しました。つまり最初反対の住民も、国や県の切り崩しが激しく、2005年に水没予定地の最大集落である川原湯地区が、代替地交渉において合意の方針を決めた事で、形の上では決着してしまいました。しかしこの問題はいまだ真の解決を得ていません。
画像はネットのサイトから借用。
 この4番目の欠点を除く残りの7つの欠点は、八ッ場ダムで基本的に成立します。2002年「八ッ場ダムを考える会」の飯塚忠志氏が、http://www005.upp.so-net.ne.jp/boso/nakayama02.htmで、分かりやすく解説しています。
 そのうち欠点3の自然環境破壊で、特に吾妻渓谷の美が失われる事を、飯塚氏は嘆いていました。ネットの吾妻渓谷の検索で見た画像は、どれも本当に美しく、一度は行ってみたいような所でした。その大半が水没してしまうのは、まさに自然環境の破壊です。国交省の役人はそうした美的感覚をもたないのでしょうか?
 嶋津暉之氏の事から八ッ場ダムを考えてみました。再度iireiさんに感謝。